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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 17/10

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 17/10

整形外科手術進入路―私の工夫―<増刊号>

水野耕作/編

2004年10月

or1710

定価6,076円(税込み)

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目次

頚椎に対する進入路 井口 哲弘ほか
頚椎の手術進入路について前方進入は経口,前側方,側方進入路を,後方進入は後頭頚椎と頚椎部進入路を紹介し,それぞれの適応と注意点,そして我々が行っている工夫を述べた.
胸椎に対する進入路 細江 英夫ほか
胸椎への進入路は多くあるが,重要臓器に配慮しながら脊髄への安全性を最優先する.そのためには開胸,胸骨縦割など躊躇せず行い,術前より胸部外科医,麻酔科医と協力しあうことが重要である.
腰椎に対する進入路 佐藤 勝彦
腰椎に対する前方進入路,側方進入路,および後方進入路がある.本稿ではそれらの基本と患者に対する身体的侵襲を小さくするための手術手技上の工夫について記載した.
胸郭出口症候群に対する腋窩進入路 井手 淳二ほか
腋窩進入第1肋骨切除術は,保存療法が無効な腕神経叢圧迫要因による胸郭出口症候群の症状がある症例に適応がある.腕神経叢牽引要因による症状に対する効果は期待できない.
肩鎖関節脱臼に対する進入路 仲川 喜之
肩鎖関節脱臼の手術法は多数あるが,肩鎖関節脱臼という比較的軽度な疾患に対し,手術侵襲の大きな,手術瘢痕が大きい手術法を選択することは問題である.できるだけ小侵襲の進入路を選択すべきである.
肩関節に対する手術進入路 伊藤 博元
肩関節への進入法として前内側進入が,最も有用なアプローチといえる.筋・血管・神経などを損傷することなく,またconjoint tendonを切離することなく関節内に至ることができる.
肩甲帯広範切除術に対する進入路 松本 誠一ほか
肩甲帯離断や肩関節離断は,可能な限り避けるべき手技である.腫瘍疾患においては,安全な切除縁が確保できれば,たとえ術後の上肢機能が全廃であっても,患者の希望があれば患肢温存すべきである.
上腕骨全置換術に対する進入路 丸井  隆ほか
上腕骨全置換術の手術進入路について解説した.骨頭の下方脱臼,感染,神経麻痺などが術後合併症として重要である.当科ではLeeds-Keio人工靱帯を用いて軟部組織を再建し,骨頭の下方脱臼を抑制している.
上腕骨骨幹部に対するアプローチ 大塚  宏ほか
上腕骨骨幹部に対して4つのアプローチが存在するが,骨折部位,手術中の体位,橈骨神経の損傷の有無を判断材料としたアプローチの適応性について記載した.
肘関節に対する進入路 関  敦仁ほか
肘関節の疾患や外傷は多岐にわたり,多くの進入法が開発されてきた.しかし,まずは個々の病態をよく把握することが大切であり,それに基づいて進入法を選択するべきである.
前腕骨骨幹部に対する進入路 山中 一良
前腕骨骨幹部への代表的な進入路について簡明に解説し,筆者が行っている前腕骨骨幹部骨折に対するminimally invasive plate osteosynthesisへの進入路についても紹介する.
手関節に対する進入路 堀井恵美子
合併症なく,低侵襲で手関節を展開するには,病態を把握し,解剖を熟知することが鍵である.
手部ならびに手指に対する進入路 水関 隆也
手指への進入路は多様である.進入路が複数考えられる場合には,目的の組織へ最も安全に,容易に到達でき,十分な視野を得ることができる進入路を選択することが肝要である.
骨盤に対する進入路 藤原 正利
骨盤の骨折に対しては,前方進入法(Pfannenstiel法,ilio-inguinal法など)と後方進入法(Kocher-Langenbeck法,triradiate法など)の特徴を認識し,骨折型に合わせ適切に選択することが大切である.
仙腸関節に対する進入路 藤原 正利
仙腸関節は前方ではL5神経根があり,後方では上殿動脈,神経が存在する.仙腸関節脱臼骨折の整復固定を行う場合は,これらの組織に注意して手術を行う必要がある.
股関節に対する進入路 三枝 康宏
股関節周囲組織への損傷を少なくするために,大転子を切離せずに,しかも外側広筋を切開しない外側進入法を施行している.
股関節大腿骨全置換術に対する進入路 荒木 信人
大腿骨を全摘出し股関節と膝関節を同時置換する手術で,術後機能は片杖もしくは杖無し歩行可であり,最終的salvage手術として利用価値は高い.
大腿骨骨幹部に対する進入路 山田 治基
顆上部から大腿骨骨幹部中央にかけての展開には,後外側進入路が外側広筋を障害しないので有用である.外側進入路は同筋を線維方向に裂くため,やや出血が多いが大腿骨骨幹部全域に対する良好な展開が得られる.
膝関節に対する進入路 青木 喜満ほか
膝関節は前方と後方,内側と外側の進入路があり,病変の部位により進入路を使い分ける.さらに膝関節周囲の解剖を熟知し,必要外の展開をしないことが合併症を防ぐことに繋がる.
下腿骨骨幹部に対する進入路 田中 孝昭
下腿遠位1/3での脛骨・腓骨骨折に対し,2皮切間は7~9cm以上間隔をあけることが必要で,このような場合には外側皮切はやや後方に,前方皮切は前内側にうつすこともある.
足関節の手術に対する進入路 杉本 和也
足関節では大変多くの進入路が用いられる.神経,血管,腱の走行を熟知しておれば自由に進入路を選択できるが,多くの疾患に対して進入路は確立されており,これらに従えばよい視野が得られる.
足部ならびに足趾に対する進入路 野口 昌彦
足関節・足部・足趾では,病変の部位や行う手術内容により適宜,あるいは微妙に進入路を変えることにより展開はより容易となり良好な視野が得られる.

関連書籍

骨折治療基本手技アトラス~押さえておきたい10のプロジェクト~ 最上敦彦/編
ISBN:978-4-86519-257-5 C3047
定価:16,500円(税込み)

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