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Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 12/1

Monthly Book Orthopaedics(オルソペディクス) 12/1

外傷性頚部症候群診療マニュアル―最新の知見から―

平林 洌/編

1999年1月

or1201

定価2,305円(税込み)

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目次

カナダ・ケベック報告からみたwhiplash associated disorders(WAD)のガイドライン 添田 修一
むち打ち損傷治療のこれまでの常識を覆す治療ガイドラインを勧告したカナダ,ケベックむち打ち症関連障害特別調査団の報告とガイドラインの内容は,わが国の現行治療を根底から変換することを要求するものである.
外傷性頚部症候群診療の現況と問題点―レセプト調査を中心に― 竹内 孝仁
むち打ち症の経過には頚部の損傷の程度以外に,入院か通院かという治療形態や地域性を含めて多くの要因が関与していること,したがって治療上はこれらの複合した心理的要因に十分な配慮が必要であることを述べた.
外傷性頚部症候群診療の現況と問題点―アンケート調査を中心に― 井上  久
臨床医に対してアンケート調査を行った結果,本外傷に関する解釈や診療方針が医師の間でまちまちで,診療指針の作成や保険会社側の対応改善の必要性が浮き彫りにされた.
外傷性頚部症候群患者の初期情報に基づく予後予測
佐藤 親次ほか
一定期間に受傷した6167例の受療行動を1年間追跡調査した.その結果,遷延例が女性に多いこと,職種により遷延率が異なることが認められた.生物学的要因とともに,社会的要因も遷延化に関与していることが,確認された.
最新のトピックス
1) 医工学的研究から 追突時の頚椎椎体間挙動解析―頚椎捻挫の受傷機序解明に向けて― 金岡 恒治ほか
志願者を対象に被追突模擬実験を行い,衝撃時の生体内頚椎椎間挙動を解析した.その結果,下位頚椎椎間に椎間関節傷害を生じうる,異常挙動を確認した.
2) 外傷性頚部症候群における画像所見の診断的意義について―無症候性健常者との比較検討から― 松本 守雄ほか
外傷性頚部症候群患者における単純X線上の弯曲異常,MRI上の椎間板後方突出や脊髄圧迫などの所見は,多くの場合,生理的加齢変化と考えるのが妥当である.
3) Barré-Liéou症候群―臨床生理学的研究から― 遠藤 健司ほか
Barré-Liéou症候群に対して,頚部で椎骨動脈MRAを用い,その形成不全と循環障害を観察し,症状が長期化する素因について考察した.
4) 臨床的研究から外傷性頚部症候群にみられるめまいの特徴 渡辺 尚彦
めまい発症に関しての素因について考えを述べ,これに頚部外傷が一因として関与している可能性を示唆した.
5) 外傷性頚部症候群に対する前方固定術 奥山幸一郎ほか
外傷性頚部症候群に対する前方固定術の成績を検討した.椎間板,選択的神経根造影およびブロック時の症状の再現,軽快を根拠に手術を行うことは臨床的にはほとんど無効と思われた.
6) 外傷性頚部症候群―法曹界からの最近の傾向と問題点― 羽成  守
交通事故被害者の有する体質的素因のうち,疾患にまで至らない身体的特徴を有する者については,損害額算定の際,その身体的特徴を斟酌してはならない.
海外文献からみた外傷性頚部症候群の概況 杉原 俊弘
外傷性頚部症候群の定義,発生率,発生メカニズム,診断,治療法,予後,予防について文献的検討を行った.診断基準や重症度分類,および治療法を統一した上でのデータ整理が必要である.
外傷性頚部症候群の診断・治療ガイドラインの提案 平林  洌
国際的に高い評価を得ているカナダ・ケベック報告(1995)を参考とし,わが国での現況調査を踏まえ,現時点における本症診療のガイドラインを作成し,ここに提案した.

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