脂肪腫 |
上村 哲司 |
脂肪腫は,診察によってある程度摘出の難易度が予想される軟部組織腫瘍である.被膜が存在し可動性良好な場合は,整容面から小切開での手術手技が可能である. |
神経線維腫(レックリングハウゼン病) |
深水 秀一ほか |
びまん性神経線維腫(diffuse plexiform neurofibroma)を中心に,病変の大きさ,部位,周囲の皮膚の性状,手術時期について述べた.特に出血のコントロールが重要であることを強調した. |
ケロイドと高度肥厚性瘢痕 |
山脇 聖子ほか |
ケロイドと高度肥厚性瘢痕の鑑別のポイントは肉眼的所見にあり,厳密に鑑別したのち,ケロイドにのみ放射線治療を行うべきである. |
指趾の腫瘍―巨細胞腫,内軟骨腫,グロームス腫瘍,爪下外骨腫,粘液嚢腫,血管拡張性肉芽腫― |
沢辺 一馬ほか |
手指(足趾)には骨,靱帯,腱などの機能の関連する組織と,爪という整容的に重要な組織が存在する.これらの損傷を最小限にし,各々の疾患に合わせた治療が必要である. |
深在性血管腫―血管形成不全に対する外来硬化療法― |
渡邊 彰二 |
血管形成不全に対する外来硬化療法の適応・方法につき述べた.硬化療法は対象が異常血管網であるため流出先が正常と異なる場合が多く,造影により全体像を把握して施行する方が安全である. |
石灰化上皮腫 |
齋藤 有ほか |
しばしば遭遇する定型的な石灰化上皮腫においては,その診断と治療は比較的容易であるが,非定型例や多発例,巨大化したものなどでは,取り扱いに注意を要する. |
尋常性疣贅 |
原田 輝一 |
凍結療法のポイントは,(1) 厚い角質の除去,(2) 痛みの生じにくい圧抵の仕方,(3) 疣贅周囲の正常皮膚にも冷却効果を及ぼすことである.難治例には色素レーザー照射法も有用である. |
粉瘤・皮様嚢腫 |
野瀬 謙介 |
日常の外来診療において遭遇する頻度の高い皮膚,皮下の代表的な嚢胞性疾患について,摘出手術のポイントとコツを述べた. |
線維腫 |
菅又 章 |
形成外科医が日常的に取り扱うことが多く,診断法や治療法を熟知しておくべき線維腫や線維腫症に関して述べた. |
脂漏性角化症・日光角化症・脂腺母斑 |
西野 健一 |
脂漏性角化症,日光角化症,脂腺母斑の病理組織学的理解を深めるとともに,各種治療法の特性,合併症について精通した上で治療を行う.また,日光角化症,脂腺母斑は悪性腫瘍発生母地になりうる. |
表皮性腫瘍(アクロコルドン,稗粒腫),黒子 |
安田 浩 |
アクロコルドン,稗粒腫,黒子の治療法を主に凍結療法,レーザー療法などの非手術的療法について解説した.特に黒子で病理検査を行わない場合は臨床診断力が重要である. |
黄色腫,汗管腫 |
楠本 健司 |
黄色腫,汗管腫の治療は外科的切除,炭酸ガスレーザーが主流である.黄色腫は脂質異常症の部分症状と考え治療を進めるべきである. |