ヘルペス脳炎の診断 |
河邉 慎司ほか |
ヘルペス脳炎は単純ヘルペスウイルスによる重篤な中枢神経系感染症である.非常に予後不良で,高率に神経学的後遺症を残す.早期診断・治療が重要な疾患である. |
性器ヘルペスの無症候性排泄の現状と対策 |
松尾 光馬ほか |
性器ヘルペスは無症候性ウイルス排泄により感染することが多い.HIVを含めた,他のSTD感染のリスクになることも知られており,適切な診断,治療,予防的措置が必要である. |
性器ヘルペスの診断 |
尾上 智彦ほか |
性器ヘルペスの診断には典型例,非典型例の症状や経過を把握することに加え,Tzanck試験,蛍光抗体法によるウイルス抗原検査,抗体価測定などの検査に精通することが必要である. |
性器ヘルペス再発抑制療法(suppressive therapy) |
白木 公康ほか |
性器ヘルペス再発抑制療法は,毎日抗ヘルペス薬を服用し,再発や無症候性排泄を抑制し,パートナーへの感染抑制やQOLの向上など種々の効果を持つ世界的標準治療法である. |
HIV感染者などの免疫不全患者,腎機能低下患者への抗ウイルス薬の使い方 |
小野 文武ほか |
免疫不全患者でのヘルペス感染症の特徴と治療について概説した.腎機能低下時の抗ウイルス薬の使用についても触れる. |
帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia;PHN)の薬物療法 |
伊東 秀記ほか |
帯状疱疹後神経痛(PHN)の治療は容易なものではなく,患者すべてで異なると言っても過言ではない.米国神経医学会のガイドラインを中心にPHNの薬物療法について解説する. |
水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチン(varicella vaccine and zoster vaccine live) |
伊東 秀記ほか |
水疱ワクチンおよび帯状疱疹ワクチンについて解説した.「予防に勝る治療はない」ということわざのとおり,今後,このワクチンは帯状疱疹およびPHN対策のカギとなる. |
水痘・帯状疱疹 院内感染対策マニュアル |
新妻 隆広 |
水痘に感受性のある医療従事者はVZV曝露後は,病棟内ウイルス伝搬のおそれがあるため患者ケアができない.事前にワクチンなどにより免疫を保持していることが望ましい. |
EBV関連皮膚疾患の診断と治療 |
山本 剛伸ほか |
EBV関連皮膚疾患は,感染する細胞,免疫反応の程度によりさまざまな病態を惹起する.自然消退する予後良好なものから,悪性腫瘍などの不良な疾患まであり,鑑別が重要である. |
HCMV関連皮膚疾患の診断と治療 |
野田 敏司ほか |
HCMVはGianotti-Crosti症候群やDIHSの病態発現に深くかかわっている起因ウイルスの一つであると考えられている. |
HHV-6 最近のトピック―造血幹細胞移植後発疹症/GVHDにおけるHHV-6再活性化― |
浅田 秀夫 |
造血幹細胞移植後の発疹症やGVHDの発症に,HHV-6の再活性化が重要な役割を担っている可能性が示唆された. |
HHV-7関連皮膚疾患の診断と治療 |
山岸 義晃ほか |
ウイルスの存在だけでは疾患の原因とはいえない.蛍光抗体法はHHV-6と交叉反応があり,注意が必要.Real-time PCRにより経時的にウイルス量を評価することができる. |
HHV-8関連皮膚疾患の診断と治療 |
菅野 隆行ほか |
近年のエイズ患者数の増加により,日本ではカポジ肉腫が急増している.カポジ肉腫にはHHV-8が必ず感染しており,HHV-8の検出は診断上重要である. |
アシクロビルの作用機序と耐性化 |
錫谷 達夫ほか |
アシクロビルは安全性の高い抗ヘルペス剤で,2006年には陰部ヘルペスの再発予防を目指した抑制療法も認可された.この薬剤の作用機序と耐性化機序をまとめた. |