Ⅰ.耳疾患 |
1.慢性中耳炎に対する内服・点耳液の使い方 |
白馬 伸洋 |
慢性中耳炎では,手術を行う場合の入院までの期間や,手術が行えない保存的治療において,外来における頻回の耳洗浄と適切な耳処置薬を併用した局所処置が重要となる. |
2.外耳炎・外耳道湿疹に対する内服・点耳液の使い方 |
小川 洋 |
外耳道炎,外耳道湿疹は軟骨部外耳道,骨部外耳道で病態が異なる.いずれにしても病変が局所に限局しているか,周囲に波及しているかを判断し,治療方法を選択することになるが,局所処置が治療の中心となる. |
3.好酸球性中耳炎に対する内服・外用薬の使い方 |
吉田 尚弘ほか |
好酸球性中耳炎の重症度,病型別の内服・外用薬の使い方,局所治療について述べる. |
4.Hunt症候群による疱疹と眼症状に対する内服・外用薬の使い方 |
木村 拓也ほか |
Ramsay Hunt症候群に伴う,耳帯状疱疹,兎眼に対する治療は,患者QOLを損なわないために非常に重要である.内服薬の注意点,外用薬の使い方について概説した. |
5.耳管開放症に対する内服・外用薬の使い方 |
大島 猛史 |
加味帰脾湯などの漢方薬が最も頻繁に処方され,その効果も報告されている.しかし,漫然とした投与は避けるべきであり,効果がなければ他の治療法も検討する. |
Ⅱ.鼻疾患 |
1.アレルギー性鼻炎における内服・点鼻薬の選び方 |
後藤 穣 |
抗ヒスタミン薬や点鼻薬の選び方がアレルギー性鼻炎治療の重要なポイントになるといっても過言ではない.薬剤の特徴を理解し適正に選択すべきである. |
2.妊婦のアレルギー性鼻炎患者に対する内服・点鼻薬の使い方 |
尾野 里奈ほか |
鼻アレルギー症状に悩む妊婦は多い.薬物療法の正しい知識と科学的根拠をもとに,妊娠中でもQOLを保てるよう治療を行いたい. |
3.小児アレルギー性鼻炎治療における内服・点鼻薬の使用時の留意点 |
鈴木 祐輔ほか |
小児アレルギー性鼻炎治療に最も用いられるべきは非鎮静性の第2世代抗ヒスタミン薬である.患児の生活スタイルや希望する治療方法などを考慮した薬剤選択が重要である. |
4.好酸球性副鼻腔炎に対する内服・外用薬の使い方 |
中丸 裕爾 |
好酸球性副鼻腔炎に対する薬物療法のエビデンスとしては,全身および局所ステロイドの有効性が確認され使用が推奨されている.他の薬剤は有効性が確認できず分子標的薬の適応追加が望まれる. |
5.慢性鼻副鼻腔炎に対する内服・外用薬の使い方(ネブライザー療法も含めて) |
兵 行義 |
慢性鼻副鼻腔炎は内視鏡下副鼻腔手術で代表される手術が確立されている.しかし,その前後には必ず保存的治療として内服・局所療法が遂行される場合が多い.今回はその慢性鼻副鼻腔炎の保存的治療について概説する. |
6.嗅覚障害に対する内服・点鼻薬の使い方 |
志賀 英明ほか |
嗅覚障害に対する治療薬とその適応について,現状を踏まえて解説した.特にステロイド薬の適正な使用と,当帰芍薬散の効果が期待できる症例選択について紹介した. |
7.鼻前庭炎,ドライノーズに対する内服・外用薬の使い方 |
三輪 正人 |
鼻前庭は,その組織学的構造から,繊毛上皮を持つ他の鼻粘膜とは大きく異なる.鼻前庭炎およびその上流にあるドライノーズについて概説する. |
Ⅲ.口腔咽喉頭疾患 |
1.口内炎に対する内服・外用薬の使い方 |
渡邊 毅ほか |
口内炎は局所刺激,二次感染により重症化し,また全身疾患・皮膚疾患を反映し生じることもある.本稿では,口内炎についての定義と原因,臨床分類,一般的な外用薬を用いた口内炎局所治療から,内服薬などを用いた口内炎の治療について概説する. |
2.口腔・咽頭真菌症に対する内服・外用薬の使い方 |
鈴木 真輔 |
口腔咽頭真菌症は日和見感染的に発症し,近年は高齢者の増加に伴い増加傾向にある.口腔カンジダ症は多彩な臨床像を呈し,治療では局所に対する外用薬が主体となる. |
3.口腔乾燥症に対する内服・外用薬の使い方 |
高野 賢一 |
増加傾向にある口腔乾燥症に対しては,多様な背景因子・疾患を見極め,適切な薬剤(コリン作動薬,漢方薬,人工唾液など)を選択し投与する. |
4.扁桃炎に対する内服・外用薬の使い方 |
木村 文美ほか |
扁桃炎について,扁桃炎研究会が提唱しているガイドラインを参考とし,病態から症状,診断,治療について概説した. |
5.喉頭アレルギーに対する内服・外用薬の使い方 |
片田 彰博 |
喉頭アレルギーの診断基準を提示し,遷延性もしくは慢性の乾性咳嗽と咽喉頭異常感を呈する他疾患との鑑別の要点と治療のポイントについて解説した. |
6.喉頭肉芽腫症に対する内服・吸入薬の使い方 |
高畑 淳子 |
多くの喉頭肉芽腫はPPI,ステロイド吸入薬や漢方薬による保存的治療で軽快する.これらの投薬方法について述べた. |
Ⅳ.がん治療の支持療法 |
1.化学放射線療法による口内炎への内服・外用薬の使い方 |
仲江川雄太 |
化学放射線療法による口内炎への対応は治療完遂に重要である.口腔ケアを実践し,口腔内の状況に応じて適宜内服・外用薬剤を使用することが治療遂行に繋がる. |
2.セツキシマブによる皮膚障害に対する内服・外用薬の使い方 |
山﨑 知子ほか |
セツキシマブは頭頸部がん領域唯一の分子標的薬であり,副作用に重度の皮膚症状がある.患者のQOLを良好に維持しつつ,治療を継続するためにも,皮膚症状の適切なマネジメントを行うことが重要である. |
Ⅴ.他科専門医から耳鼻咽喉科医へ |
1.耳鼻咽喉科医が知っておくべきがん疼痛に対する内服・貼付薬 |
佐藤 哲観 |
がん疼痛治療は薬物療法が主軸であり,非オピオイド,オピオイド,鎮痛補助薬を患者ごとに適切に組み合わせて適量で投与し,副作用にも適切に対応する必要がある. |
2.耳鼻咽喉科医が知っておくべき気管支喘息の吸入・内服・貼付薬 |
斎藤 純平 |
喘息治療の主体は吸入療法であり,吸入ステロイド薬が第一選択薬となる.適切な吸入器の選択と長期管理薬の組み合わせが,良好な喘息コントロールを得るために重要である. |
3.耳鼻咽喉科医が知っておくべきアトピー皮膚炎の内服・外用薬 |
矢上 晶子 |
アトピー性皮膚炎では,重症の場合は内服薬や生物学的製剤が用いられるが,治療の中心は外用療法であり,現在はプロアクティブ療法が推奨されている. |
4.耳鼻咽喉科医が知っておくべきアレルギー性結膜炎に対する内服・点眼薬の使い方 |
高村 悦子 |
アレルギー性結膜炎には抗アレルギー点眼薬の治療が有効であり,重症例へのステロイド点眼薬の併用は,眼圧上昇という副作用を考慮し,眼科での診察が必要となる. |