外耳道異物・耳垢塞栓除去 |
桂 弘和ほか |
外耳道異物と耳垢塞栓は日常診察で扱うことの多い疾患であり,外耳道内での操作が必要であるため鼓膜や外耳道をいかに損傷せずに取り出すかが大きなポイントとなる. |
幼小児反復性中耳炎 |
丸山裕美子 |
小児急性中耳炎・遅延性中耳炎・反復性中耳炎に対する当院での外来診療の実際を紹介する.局所・患児・保護者への対応について,現時点における工夫を具体的に示した. |
小児急性中耳炎の鼓膜切開術―OtoLAM®を中心として― |
上出 洋介 |
OtoLAMは万能の鼓膜切開デバイスではない.乳幼児ではやはり難しく,技術を習得する必要がある.一方で今まで指摘される機会の少なかった中耳粘膜病態を正確に把握することが可能となった. |
慢性中耳炎術前術後処理 |
高橋 晴雄 |
慢性中耳炎に対して行われる鼓室形成術は遊離組織移植を伴う形成手術であり,感染は非常に不利な条件である.術前後には極力感染・炎症を消退させることが重要である. |
耳管の処置治療 |
守田 雅弘 |
耳管狭窄症では,通気処置時は指の操作でパルス状に加圧する.耳管開放症では,Bezold末,ルゴールなどの薬液を耳管内に塗布する.生理食塩水の耳管内への注入も有効で安全に際限なく使用できる. |
簡易平衡検査 |
江上 徹也 |
多忙な外来診療の中でめまい・ふらつきを要領よく診療するための平衡機能・神経学的検査の簡易化の工夫とともに危険なめまいの見逃し予防対策を解説した. |
小児鼻処置の工夫 |
工藤 典代ほか |
鼻症状のある小児にガーゼによるこう鼻を行い,小児鼻副鼻腔炎の重症例,遷延例は,鼻腔を十分に観察し鼻処置,中鼻道開大処置を行う.症状改善のない場合は上顎洞穿刺洗浄を行うこともある.鼻腔所見に応じて鼻処置を工夫し行うことは,小児鼻副鼻腔炎の治療において適切な抗生剤の使用と並んで重要である. |
副鼻腔自然口開大,洗浄処置 |
鴻 信義 |
副鼻腔洗浄の目的・役割と実際の手技を解説した.また,最近開発された新しい自然口開大・洗浄用の機器について紹介した. |
鼻出血止血法および鼻咽腔止血法 |
藤枝 重治ほか |
鼻出血止血法の基本は,ボスミン付きガーゼの挿入であるが,最近は吸収性外用止血材,アルギン酸塩被覆材などが効果的である.一旦止血後,電気凝固すると良い. |
副鼻腔(上顎洞)穿刺 |
松根 彰志 |
副鼻腔穿刺は,急性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎の急性増悪さらには副鼻腔嚢胞などに対する,外科的なドレナージ処置の1つであり,日常臨床で大変重要な手技である. |
嗅覚障害の治療 |
井之口 昭 |
鼻副鼻腔炎嗅覚障害に対するステロイド,マクロライド,手術による改善度,感冒後嗅覚障害に対する漢方治療,ステロイド点鼻の効果的な実施法について述べた. |
血管運動性鼻炎 |
湯田 厚司ほか |
血管運動性鼻炎は,抗原や刺激要因が不明で鼻アレルギー類似症状を示す.自律神経の関与が考えられるが,著効薬がない.喘息移行にも注意が必要である. |
舌痛症の治療 |
市村 恵一 |
舌痛症の診療に当たっては,shared decision makingが重要である.決定的な治療法はないながら,近年判明してきた成因から導かれるいくつかの手段を組み合わせて,改善を図る. |
味覚障害の治療 |
池田 稔ほか |
味覚障害の原因として頻度が高いのは,亜鉛欠乏を基礎としたものであり,亜鉛剤の内服治療が有効である.口内乾燥や口内炎による味覚障害への対処法についても述べた. |
扁桃処置と上咽頭処置 |
原渕 保明ほか |
扁桃処置として,陰窩洗浄法,レーダー吸引法を,また上咽頭処置について解説する. |
扁桃炎,扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍の処置 |
上村 尚樹 |
1.急性扁桃炎,膿瘍における起炎菌の現状と薬剤感受性
2.急性扁桃炎に対するスコアリングシステム
3.扁桃周囲膿瘍における局所麻酔と切開手技
4.ステロイドの併用(その投与量と期間) |
喉頭・咽頭の異物摘出 |
森 一功 |
喉頭・咽頭異物の摘出のポイントは以下のとおり.(1) 局所麻酔でほとんどすべてが決まる.(2) 昨今では電子スコープ下での摘出が容易である.(3) 無理はしない. |
間接喉頭鏡下喉頭処置 |
鮫島 靖浩 |
間接喉頭鏡下処置は記録に残せない,細かい操作が困難,習熟に時間を要するなどのデメリットがあるが,習熟すると一人で速やかに処置を行うことが可能で大変有用である. |
喉頭ポリープ,結節の保存療法 |
松永 敦 |
喉頭の非腫瘍性病変に対して丁寧な問診や音声治療を行うことで高まる保存治療の可能性を述べる. |
喉頭アレルギーの診断と治療 |
内藤 健晴 |
慢性型喉頭アレルギーに対する薬物療法は診断基準を兼ねて抗ヒスタミン薬内服が主となり,ステロイド吸入,漢方薬も考慮される. |
中・下咽頭におけるNBIの有用性 |
篠崎 剛ほか |
NBIシステムによる観察は通常光と比較して表在病変の描出に優れているため,血管異型の検出や病変範囲の確認に有用である. |
小児気道閉塞の外来での対応 |
平林 秀樹 |
小児の気道閉塞の診断・治療は,迅速な原因の特定が重要である.耳鼻咽喉科医は上気道疾患か下気道疾患か,緊急処置が必要か否かの的確な判断が必要で,喉頭内視鏡検査が有効な診断法である. |
ネブライザーおよび超音波ネブライザー |
鈴木 賢二 |
ネブライザー療法は,疼痛なしに高濃度に速やかに薬液を目標に到達させることができ,血液中移行が僅かで副作用を回避することができ,安全で簡便で有用な治療法である. |
妊婦・授乳婦への薬物投与 |
佐藤 章ほか |
女性に投薬する場合には,妊娠しているかどうかを確認することと,使用する必要性がリスクを超える場合に使用し,その説明と同意をとることが重要である. |
外来での消毒・滅菌 |
重野浩一郎 |
適切な洗浄,消毒や滅菌は医療関連感染を未然に防ぎ,病原微生物のヒト-ヒト間の伝播を予防する. |