Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.13
手の外科画像診断マニュアル
 
手の外科における単純X線写真―肢位と読影 坪川 直人ほか
手指,手根骨,手関節障害では正しい肢位で撮られた単純X線で診断を行う.特殊撮影,正常側との比較により正確な診断を行う.単純X線には限界がありCT,MRIなどの補助診断が必要である.
手根不安定症の画像診断 岩崎 倫政ほか
手根不安定症の診断には,単純X線検査を中心とする画像検査は有用な情報を提供する.
3次元動態MRIによる手関節運動の解析 森友 寿夫
近年3次元動画を使った新しい画像解析によって手根中央関節の動き方が解明された.基本的な手関節運動として注目されているダーツスロー運動についても解説する.
手の外科における超音波検査の有用性 中島 浩志ほか
上肢の腱,神経,血管,関節,筋肉の炎症と損傷の診断,および腫瘍,異物の診断に超音波が有用である.多岐にわたる利用法の中から,代表的な超音波画像を掲載した.
手関節痛の診断における手関節造影の実際と有用性 中尾 悦宏ほか
手関節障害の病態を評価する検査法のひとつである手関節造影について,適応,手技,読影について症例を提示して概説した.関節面軟骨,三角線維軟骨,骨間靱帯,関節内瘢痕,滑膜炎などの評価が可能である.
手・手関節痛診断における骨シンチグラムの有用性 富田 善雅ほか
手の外科領域で骨シンチグラムを診断や治療法の評価などに用いることは決して多くはない.しかし,優れた局在診断能力は,手根骨の不顕性骨折をはじめ手根骨間靱帯・軟骨損傷や腱鞘炎など診断が困難な症例の診断治療に有用な検査法である.
舟状骨骨折・偽関節のCT診断 阿達 啓介
舟状骨骨折の診断,治療を行ううえで正確な画像診断が重要である.我々の考案したCT長軸断撮影法(Δ hand CT)は再現性が高く骨折,転位の有無,骨癒合の判定に有用であった.
手関節三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷における画像診断 中村 俊康
TFCC損傷診断に必要な解剖学的知識,関節造影,MRIにおける読影のポイントについて詳述した.関節造影,MRIそれぞれに利点,欠点があるので総合的に診断を進めていくことが重要である.
MRIマイクロスコピーコイルによるTFCC損傷診断 田中 利和ほか
マイクロスコピーコイルを使用することで,従来のサーフェイスコイルに比較して小さなFOVでしかも1〜2mmという薄いスライスでより詳細なMR画像が撮像されるようになり,discや橈骨付着部はもちろん尺骨付着部の状態まで詳細に観察可能となった.
三次元CTによる手指屈筋腱,伸筋腱の描出 砂川  融ほか
3D CTで腱の鮮明な画像を得るためには若干のコツと経験が必要であるが,得られる画像は診断,インフォームドコンセント,手術シミュレーションに非常に有用である.
手根管症候群のMRI診断のポイント 内山 茂晴
手根管症候群のMRI診断ではT2WI横断像が有用であり,正中神経の断面積と信号強度,横手根靱帯の掌側への張り出し,屈筋腱,滑膜の横断面積,手根管内占拠病変を評価する.
手関節部dynamic MRIの有用性 村上 成道ほか
Dynamic MRIは手根骨のように小さく,解剖学的に特殊な形状を持つ骨の詳細な血流状態を評価するのに優れた方法である.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.12
低侵襲脊椎手術のコツとpitfall
 
頚椎後方手術における筋肉温存手術の考え方と成績 谷戸 祥之ほか
頚椎後縦靱帯骨化症患者に対して深層伸筋を温存した術式(TEMPLA)を行った症例について術前後の頚椎形態変化と深層伸筋の萎縮,手術成績を検討した.
MED法による頚椎手術の可能性とリスク 吉田 宗人ほか
頚椎症性脊髄症・神経根症への脊椎内視鏡手術は,頚部後方軟部組織への低侵襲から術後頚部痛などがほとんどなく,早期社会復帰を可能にする手術方法である.
Skip laminoplastyにおける手術のコツとpitfall 谷戸 祥之ほか
頚椎症性脊髄症に対して非責任椎間に侵襲を加えない選択的椎弓形成術により良好な臨床成績が得られたので紹介し,そのpitfallについて考察した.
腰椎手術におけるクリティカルパス作成・運用・分析のポイント 青木 雅人ほか
整形外科パスの考え方,作成,運用について述べる.当院の腰椎パスの分析から,鏡視下手術がオープンの後方手術に比べ,術後疼痛,合併症の発生に関しても有効であることが示唆された.
脊椎低侵襲手術を支える麻酔の知識 河西  稔
低侵襲手術麻酔は,決して安全なものではない.術前評価は,早期離床,早期退院を考える場合,さらに詳細に検討し対応する必要がある.『手術には,大手術と小手術があるが,麻酔にはそうした差は無い』.
腰椎椎間板ヘルニアに対する顕微鏡下手術 藤本 吉範ほか
本稿ではもっとも標準的な顕微鏡下手術のコツとpitfallについて記載した.腰椎椎間板ヘルニアに対する顕微鏡下手術は時の試練を経た有効な手術法である.
内視鏡椎間板ヘルニア摘出術のpitfall―日帰り手術に向けて― 出沢  明ほか
経皮的内視鏡椎間板ヘルニア摘出術(PELD;percutaneous endoscopic lumbar discectomy)による日帰り手術の問題点とコツについて解説した.
腰椎椎間板ヘルニアに対するPLDDの適応と成績 西島雄一郎
レーザー椎間板除圧術の適応はcontained typeヘルニアのみである.成績は顕微鏡ヘルニア摘出術との比較で予後成績は劣り,再発率も高かった.神経損傷合併率,入院期間,原職への復帰期間で勝っていた.
CTガイド下鏡視下経皮的レーザー椎間板除圧術 百町 貴彦ほか
腰椎椎間板ヘルニアに対する経皮的レーザー椎間板除圧術は,治療成績には一定の限度があるものの,CTをガイドとして用いることにより,正確な穿刺部位の把握ができ,安全なレーザー照射が可能である.
腰部脊柱管狭窄症に対する筋肉温存型椎弓間除圧術(MILD法) 八田陽一郎ほか
腰部脊柱管狭窄症に対し,顕微鏡下に棘突起間から進入することで,椎間関節・傍脊柱筋・棘突起のレバーアーム機能を温存して除圧ができるMILD法の詳細な手技と成績について述べた.
MED法を用いた腰椎手術―椎間板ヘルニア摘出(再手術も含めて)
 および腰部脊柱管狭窄症の除圧手術
夏山 元伸
MEDを始めるにあたっては,椎弓間の広いL5/Sヘルニアから始め,L4/5,migratedヘルニア,再発ヘルニア,脊柱管狭窄症という具合に徐々に難易度の高い症例に適応を拡大していくことが重要である.
腰部脊柱管狭窄症に対する顕微鏡下片側進入両側除圧術
 ―METRxTM micro discectomy systemを用いて―
志津 直行ほか
腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲手術としてMETRxTM micro discectomy systemを用いた片側進入両側除圧手術を紹介する.チュブラーレトラクターの先端をwandingすることにより直視下に進入側と反対側の骨切除および神経根除圧が可能である.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.11
外来診療に必要な超音波診断マニュアル
 
肩関節超音波検査法の実際(座位法) 黒川 正夫ほか
肩腱板の超音波検査でうまく画像をつくるために重要なことは,7.5MHz以上の高周波数の探触子を用い,腱板の解剖を熟知して立体的イメージを構築すること,可能なら手術所見と比較することである.
肩関節超音波検査法の実際(臥位法) 村上 元庸
肩腱板の超音波検査法において,患者を臥位にして行う方法(臥位法)について述べた.
肩腱板損傷(完全断裂) 梁瀬 義章ほか
肩関節腱板の超音波診断法と断裂所見について自験例を呈示し,診断精度について若干の文献的考察を加えた.
肩腱板損傷(不全断裂) 村上 元庸
腱板不全断裂の診断に超音波検査はたいへん有用である.
肩のスポーツ障害(腱板を除く)とその他の肩関節疾患 杉本 勝正
肩のスポーツ障害は軟部組織に起因する症例が多く,超音波検査は外来診療において非常に有用である.
学童期野球肘における超音波検査の有用性 渡辺 千聡
野球肘に対する超音波検査の手技を紹介するとともにその有用性について述べた.
手関節と手指の疾患 長岡 正宏
外来診療における手の外科領域の超音波診断について症例を呈示した.特に腱鞘炎や軟部腫瘍,絞扼神経障害にその診断的価値がある.
成人の股関節疾患の超音波診断 渡辺 研二
成人の股関節疾患として,外傷では大腿骨頚部骨折を中心に述べ,さらに超音波検査が補助診断として有用ないくつかの変性疾患を述べた.
小児股関節炎に対する超音波診断 服部  義
小児の代表的な股関節疾患である単純性股関節炎,ペルテス病,化膿性股関節炎の超音波画像とその特徴を記載した.特に単純性股関節炎では診断基準として,超音波診断を加えるべきだと考える.
先天性股関節脱臼の超音波診断 朝貝 芳美
超音波診断は先天性股関節脱臼の診断に有用な画像診断であり,診断可能な画像を撮像し,読影するには機器の扱い方や実際の検査手技に習熟する必要がある.
膝関節疾患・膝のスポーツ障害 山下 文治ほか
膝関節疾患においては特にガングリオン,膝窩嚢腫は安全のため穿刺前に確認するとよい.また,膝蓋腱炎,PCL損傷,大腿骨滑車部軟骨下骨の損傷が健側と比較することで容易に診断できる.
小児の足部疾患 和田 郁雄ほか
超音波画像情報を把握するポイントは超音波の特性を理解することである.即ち,画像は組織間の音響インピーダンスの違いにより得られること,骨は超音波不透過性であること,特有のアーチファクトの存在などである.こうした特性を知ったうえで正常の足部・足関節の解剖学的特徴,足根骨の配列を念頭に置きながら画像を評価すれば,病態把握は容易である.
軟部の外傷 瀬本 喜啓
超音波を用いて血腫,筋挫傷,筋断裂,腱断裂の性状や部位および程度を知ることは,適切な治療方法を決定し治療期間を短縮することができるなどその意義は大きい.撮像した超音波画像の判読方法の一助になればと願う.
異 物 中島 浩志
超音波検査はX線透過性異物の検出にも優れ,異物の局在と隣接病変を知るのに有用である.
外来診療における骨折外傷例の超音波診断 大島 正義
X線所見に異常が認められなくても骨折を疑う場合は超音波検査が役立つ.特に小児肘関節・足関節外傷,大腿骨頚部不顕性骨折,手足の微小な剥離骨折,胸骨,肋骨骨折などのX線読影困難な部位の診断には有用である.
RAの超音波による画像診断 西岡 英次
超音波検査は,滑膜病変や関節軟骨病変を把握するのに適しており,RAの早期診断に有効であるばかりでなく,病期が進んだRAの病態把握にも有効である.
下肢閉塞性動脈硬化症と深部静脈血栓症の超音波診断 平井都始子ほか
動脈疾患ではドプラ波形による血流情報が,静脈の診断では,圧迫,深呼吸,ミルキングなどの基本手技を身につけることが重要である.
治療への応用―エコーガイド下坐骨神経ブロック法を中心に― 原  清吾ほか
エコーガイド下の穿刺と薬剤注入法について坐骨神経ブロック法を中心に述べた.整形外科領域での治療への応用はデバイスと手技のさらなる開発が発展に不可欠である.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.10
低侵襲骨折治療マニュアル
 
前腕骨骨幹部骨折に対するMIPO 山中 一良
前腕骨骨幹部骨折に対するMIPOは侵襲が小さくcosmeticな利点もある.その適応と手術手技について記載した.
大腿骨近位部骨折に対するMIPO 森永 伊昭ほか
大腿骨近位部骨折に対するMIPOには様々なインプラントが利用できる.MIS専用手術器具セットが用意されたASヒップスクリュー2は便利であり,ここでは本術式を紹介する.
大腿骨遠位部(顆部・顆上)骨折に対する低侵襲治療法―MIPO 大塚  誠ほか
大腿骨遠位部骨折に対するMIPOの実際について,大腿骨遠位部用に新たに開発されたLCP-DFの手技も含めて紹介する.
脛骨近位部骨折に対する低侵襲治療法―MIPO 野田 知之
脛骨近位部骨折に対しMIPOはきわめて有用であるが,LCPを含めその理論と手術手技に十分精通することに加え,軟部組織状態に対する正確な評価・治療計画が重要である.
脛骨近位部骨折に対する低侵襲治療法―創外固定 井口 浩一
重症脛骨近位部骨折は,骨軟部組織の血流温存に注意を払いながら治療を行う必要がある.そのためには創外固定を含めた低侵襲治療法を組み合わせて用いるのが良い.
Periprosthetic fractureに対する低侵襲治療法 佐藤  徹
人工膝関節周囲骨折を中心に人工股関節,人工肘関節周囲骨折では現在,低侵襲治療法はどこまで進み,どこが限界点かについて記載した.
脛骨遠位部骨折に対する低侵襲治療法―MIPO 長野 博志
脛骨遠位部骨折に対するMIPOの適応と限界およびピットフォールについて述べる.骨折型とともに軟部組織の状態に留意してMIPOを行うことが成績を安定させるポイントである.
脛骨遠位部骨折に対する低侵襲治療法―髄内釘 本多 一宏
脛骨遠位部骨折におけるinterlocking nail固定の適応,手術手技,利点および問題点,当施設における治療成績について述べた.
脛骨遠位部骨折に対する低侵襲治療法―創外固定 佐藤 栄一ほか
脛骨遠位部骨折に対する創外固定法の利点は低侵襲で,軟部組織損傷症例にも受傷後早期に治療が可能で,比較的強固に固定できるため,早期にリハビリテーションが可能なことである.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.9
脊椎のスポーツ障害・外傷―その病態と治療―
 
発育期における腰椎のスポーツ障害 加藤 真介ほか
腰椎分離症とそれに続発するすべり症,腰椎終板障害は発育期特有の病態である.治療は保存療法が基本であり,スポーツ活動への本人の意欲,取り巻く環境などにも配慮する必要がある.
発育期のスポーツ選手における腰椎分離症 堀  清成ほか
発育期スポーツ選手で腰部伸展時痛を有する患者を調査した.偽関節となる前に適切な画像で早期診断を行い,早期に治療を開始することが重要である.
スポーツ選手における腰椎分離症に対する手術療法
 ―segmental wire fixation法―
野澤  聡ほか
スポーツ選手の腰椎分離症の診断,手術適応と手術手技について述べた.棘上・棘間靱帯を温存し,double wireを用いて弛みなく締結することが重要である.
スポーツ選手の腰部椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術 麻殖生和博ほか
スポーツ選手の腰椎椎間板ヘルニアに対して低侵襲な治療が求められてきた.我々は内視鏡視下手術を行っているが,本法は従来法に比べて筋肉や椎間関節への影響が軽微であり,早期スポーツ復帰を可能にした.
プロスポーツ選手の腰部障害と治療 奥田 晃章ほか
プロスポーツ選手における腰部障害の特徴と治療,さらに第一線復帰までのアスレティックリハビリテーション・プログラムについて解説する.
スケート選手における腰痛の特徴 向井 直樹
スピードスケート選手は滑走姿勢と関連した腰痛が多いが,その一因として椎間板変性に着目して調査した.また,ショートトラックでの転倒に対する安全対策も急務である.
中高年スポーツ愛好家における腰痛 中野 和彦ほか
中高年の腰痛は腰椎の退行変性が基盤にあり,そこに腹筋の低下と背筋の拘縮が加わって腰椎前弯が増強する姿勢性腰痛が多い.治療としての運動療法の実際について述べた.
スポーツによる脊椎・脊髄損傷 河野  修ほか
スポーツによる脊椎脊髄損傷は若年者に多い.急性期管理から慢性期リハビリまで一貫した治療を行い,早期に復学や復職を達成することが重要である.
コンタクトスポーツによる頚椎・頚髄損傷
 ―アメリカンフットボールとラグビーを中心に―
松本 守雄ほか
ラグビー,アメリカンフットボールにおける脊椎・脊髄損傷の病態,治療・予防法について概説した.その予防にはメディカルチェックによる異常の有無のチェックや正しいタックル指導などが重要である.
冬季スポーツによる脊椎外傷 川口  哲ほか
スキーとスノーボードによる脊椎外傷について概説した.いずれも20歳代の男性がハイリスク群であり,スノーボード外傷の大多数は意図的なジャンプの失敗が原因であった.
スポーツ選手の腰背部痛に対する
 アスレティックリハビリテーション
片寄 正樹
機能的不調によるスポーツ選手の腰痛に対する機能評価と運動療法のポイントをまとめた.腰背部の機能的mobilityとstabilityは重要なポイントとなる.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.8
化膿性脊椎炎―診断と治療―
 
化膿性脊椎炎の診断 里見 和彦ほか
化膿性脊椎炎の診断のポイントは,罹患脊椎部の疼痛に先立つ発熱を見逃さないことである.早期には単純X線像で脊椎の骨変化がみられないことがあるので,MRI検査が重要となる.最近は,易感染性宿主に発生することが多く,膿瘍を伴う例も少なくない.
化膿性脊椎炎に対する保存療法 加藤 文彦ほか
確定診断,抗生剤選択,症状緩和のために,病巣組織採取は必須である.感染のコントロールのためには,抗生剤投与よりも,絶対安静臥床による脊椎の安静と免荷の方が重要である.
化膿性脊椎炎の手術のタイミング 馬場 久敏ほか
化膿性脊椎炎は病期・病勢を臨床的,画像診断的に評価・診断することが重要であり,起因菌や患者背景を考慮し,タイミングを失することなく治療法を組み立てる必要がある.
感染性脊椎炎に対する脊椎インスツルメンテーション手術 増田 剛宏ほか
感染性脊椎炎に対する二期的手術,すなわち後方脊椎インスツルメンテーションおよび前方病巣郭清・骨移植術を紹介した.25症例において良好な成績が得られている.
化膿性脊椎炎に対する鏡視下手術 伊東  学ほか
後側方脊椎鏡視下掻爬洗浄術は,確実な感染巣の掻爬・洗浄・ドレナージが可能な低侵襲脊椎手術である.本法のよい適応は,高度な椎体破壊がない,保存治療に抵抗する早期化膿性椎体・椎間板炎である.
化膿性脊椎炎に対する経皮的病巣掻爬ドレナージ
―適応と手術手技,後療法の実際―
佐藤 公昭ほか
保存的治療で十分な治療効果が得られない化膿性脊椎炎に対して,経皮的髄核摘出術の器具を用いた病巣掻爬ドレナージは有用な治療法である.その適応と手術手技,後療法について詳述する.
化膿性脊椎炎と結核性脊椎炎の鑑別 星川  健ほか
化膿性脊椎炎と結核性脊椎炎の単純X線像,MR像における鑑別診断のポイントと細菌学的検査の最近の知見を述べた.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.7
低侵襲人工股・膝関節手術のコツ
 
<股関節>
Direct anterior approachによる人工股関節置換術 老沼 和弘ほか
Short Smith-Peterson approachによる前方進入法の手術手技と留意点につき詳述する.また,現行の手術手技での手術成績につき報告する.
人工骨頭に対するMISアプローチのtrick & pitfall 金子 和夫
小皮膚切開による人工骨頭置換術は人工股関節置換術に比べ臼蓋側を操作しないので簡便であるという考えは危険である.アウターヘッドを整復する操作は意外に難しく,皮膚の擦過傷などを極力避けるよう注意しなければならない.
Translateral approachによる低侵襲全人工股関節置換術 内藤 正俊ほか
大転子に前縁に沿って進入し臼蓋を真正面から展開できる translateral approachによるMIS-THAは,臼蓋コンポーネントの設置に優れている.
MIS-THAのEBM―short Bauer's approachによる
 mini-one incision THA―
高平 尚伸ほか
我々はBauer's approachを用いた小切開THAを行っている.この方法は筋肉から深層への侵襲がそれほど従来法と変わらないため臨床的に低侵襲とは言い難いが,患者満足度から今後習得するべき手技のひとつである.
MIS人工股関節置換術の各種アプローチの比較
 (ラッププロテクター使用例との比較)
出沢  明ほか
腹腔鏡で創縁を保護するラッププロテクターを人工関節置換術の創縁保護を目的として応用した.
<膝関節>
MIS-TKAの各種手術手技 松本 秀男ほか
MIS-TKAの目標は手術侵襲を最小限に抑えながら,従来どおり正確にインプラントを挿入することであるが,手術侵襲にこだわるあまり,手術成績が犠牲になるようであれば本末転倒である.
低侵襲人工膝関節置換術のtrick & pitfall 巽  一郎ほか
より少ない侵襲とは?組織に愛護的で・速く・正確にTKAを行うには?未だその道のほんの入り口であるが問題点と小経験をまとめた.
Genesis IIを用いたMIS-TKAの経験 蜂谷 裕道ほか
MIS-TKAの3つのキーポイント.その1,助手はretractorを引き過ぎない.その2,できる操作をできるところまで押し進め,working spaceが拡がった段階で残った操作を完遂する.その3,深屈曲を避け,困ったときには膝を伸展位とする.
MIS-UKAの臨床成績 三浦 裕正
MIS-UKAは正確な手術が行われれば,良好な長期成績と共に,術後疼痛の緩和,入院期間の短縮,美容的効果などが期待でき,今後UKAの標準的な術式となる可能性が高い.
MIS-TKAのEBM 乾 健太郎ほか
限られた大きさの創を内外上下に動かすことで視野を得るためには,小皮切の位置,パテラを翻転しないで外側に偏位させるために膝の術中肢位に注意すること,小さな手術器械が重要である.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.6
関節軟骨損傷診療マニュアル
 
MRIによる診断―総論・Review― 上谷 雅孝
MRIは,非侵襲的に関節軟骨を描出できる.関節軟骨損傷はルーチンのT2強調像だけでも描出されることが多く,注意深い読影が必要である.
MRIによる診断―臨床例から― 数面 義雄ほか
現在通常の臨床の場で使用されているMRIは,関節軟骨損傷の診断率は不十分である.しかし,撮影条件による画像の特徴を理解することで,より高い診断率が得られる.
MRIによる修復軟骨の質的評価―培養軟骨細胞移植例を中心に― 渡辺 淳也ほか
自家培養軟骨細胞移植術による修復軟骨の非侵襲的な質的評価を目的として,3D -SPGR MRIおよび遅延相軟骨造影MRIによる評価を行い,その有用性について検討した.
保存療法―軟骨損傷の予後とヒアルロン酸による治療 宗圓  聰
ヒアルロン酸の関節内注入は軟骨損傷を含む関節外傷から変形性関節症への進展を防止できる可能性がある唯一の薬剤であると言える.
離断性骨軟骨炎の病態と治療―手術治療の選択とタイミング― 中田  研ほか
OCDの治療は,保存療法や手術療法(ドリリング,骨軟骨片の再固定,関節面欠損の修復など)を年齢や病期,病状に応じて適切にタイミングよく選択することが重要である.
鏡視下骨穿孔術(含むmicrofracture法)による修復 堀部 秀二
鏡視下骨穿孔術(含むmicrofracture法)は,適応や長期成績など問題点もあるが,低侵襲性で簡便にでき,比較的良好な成績を獲得できるため,軟骨全層欠損症例に対する外科的治療の第一選択肢として有効である.
高位脛骨骨切り術による変形性膝関節症の関節軟骨修復 齋藤 知行ほか
高位脛骨骨切り術の術式の要点と変形性膝関節症の軟骨修復への効果を検討し,術後の下肢アライメントの最適化による膝関節環境の改善が軟骨修復能を誘導することを述べた.
骨軟骨柱(モザイク)移植による修復 中川 泰彰
自家骨軟骨柱移植術は,局所的な骨および軟骨損傷に対し,年齢の上限なく良好な治療成績が獲得できるので,早期診断に努め,手術手技上のポイントを押さえ,積極的に実施すべきである.
培養軟骨細胞移植による修復 安達 伸生ほか
関節軟骨は自己修復能に著しく乏しい組織である.我々が行っている組織工学的手法を用いて作製した軟骨様組織移植による軟骨修復術の手術術式,臨床成績を報告し,将来展望についても述べた.
骨髄間葉系細胞移植による軟骨再生―現状と展望― 川口 杏夢ほか
骨髄間葉系細胞移植により,関節軟骨欠損の良好な修復を認めた.本法について,現在の状況および問題点,今後の課題に関して述べる.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.5
高齢者の骨折治療実践マニュアル
 
<大腿骨頚部>
高齢者大腿骨頚部(内側)骨折に対するCHS・CCS併用法 吉田 健治ほか
CHS・CCS併用法を用いた大腿骨頚部骨折の骨接合術の適応,手術法,術後成績について述べた.早期荷重は骨癒合に影響を与えないことが示唆された.
高齢者大腿骨頚部(内側)骨折に対するC-CHS固定術
 ―back strike法の応用―
栗岡 英生ほか
この骨折を治療するという点で,我々が最も重要視するのは“骨性の安定性”である.いくら解剖学的に整復されていても,その骨性の安定性が得られていなければ,体重を負荷すれば,骨折部で破綻するからである.わかっているようでわからないのが,この大腿骨頚部(内側)骨折の特徴で,我々も1つの失敗例から多くのことを学んだ.C-CHS固定術を施行されている先生方の一助になればと思い,それをここに執筆させていただいた.
高齢者大腿骨頚部(内側)骨折に対するハンソンピン固定術 野々宮廣章
不安定型はone cortex medial positionに整復することが重要.強固な固定には,遠位ピンが頚部内側,近位ピンは頚部後方髄内皮質に接することが必要.すべては遠位ピンの刺入点で決まる.
高齢者大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術:
 診療ガイドラインの概説と当院における小切開手術の実際
渡部 欣忍ほか
大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術の位置づけを,診療ガイドラインをもとに概説した.また,当院で行っている小切開での人工骨頭置換術の手術手技の実際について説明した.
<大腿骨転子部>
高齢者大腿骨転子部骨折の理解と3D-CT分類の提案 中野 哲雄
転子部骨折は大転子から小転子に至る骨折線を基本とするtype Iと小転子から外側に横断または下方に走る骨折線を基本とするtype IIがある.Type Iは骨頭,大転子,小転子,骨幹部の4partの組み合わせで亜分類される.
高齢者大腿骨転子部骨折に対するCHS固定術 宮薗 一樹ほか
Sliding hip screw(CHSタイプ)による固定術では,正確な整復とlag screwの至適位置への挿入により,mechanical failureのほとんどを占めるimplantの骨頭cut outを減らすことができる.
高齢者大腿骨転子部骨折に対するガンマネイル固定術 徳永 真巳
ガンマネイルはほぼすべての大腿骨転子部・転子下骨折に応用可能である.ガンマ3ネイルの問題点・注意点を,症例を呈示して,その解決方法を述べた.
高齢者大腿骨転子部骨折に対するエンダー髄内釘固定術 山路 哲生
手術器械が単純で安価なエンダー法は釘先端の骨頭内での分散や深度などの手技に十分注意を払わないと結果が思わしくない場合もある.本稿では基本的な手術手技と応用について述べる.
<大腿骨顆部・顆上>
大腿骨顆部・顆上骨折に対するretrograde nail固定術 生田 拓也
Retrograde nailについて手術手技,注意点,適応を中心に述べた.最近では新たな機種が複数開発されており,よりその適応は拡大しているが,無理をしてnailによる固定を行った結果,固定力が不十分で後療法を遅らせる必要が生じるようなことは避けるべきである.
大腿骨顆上・顆部骨折プレート固定法 増山  茂
高齢者の大腿骨顆上・顆部骨折に対するDCS法は,いくつかの基本手技を把握し,骨粗鬆症に対する対策を確実に実践できれば,良好な成績を期待できる優れた方法である.
<橈骨遠位端>
橈骨遠位端骨折に対する保存療法の適応限界と手技
 ―手関節背屈位ギプス固定について―
亀山  真ほか
Colles型橈骨遠位端骨折に対する手関節背屈位ギプス固定の手技,特徴,適応限界について解説し,65歳以上の高齢者に対する有用性を示した.
高齢者不安定型橈骨遠位端骨折に対するnon-bridging
 創外固定の治療成績
内倉 長造ほか
高齢者の不安定型橈骨遠位端骨折に対するnon-bridging創外固定は,骨移植を行わなくても,可動域や握力の回復や関節症の変化と骨密度の観点から良い成績が得られた.
高齢者橈骨遠位端骨折に対するcondylar stabilizing法 清重 佳郎
橈骨関節面および軟骨下骨を矢状面で円弧とみなし,その円弧に接線を引くようにlocking pinを刺入,その接点でcantilever様に関節面骨片をsubchondral “tangential” supportすることが本法の原理である.骨接合法というよりはむしろ,骨折安定化法である.
橈骨遠位端関節内骨折に対する鏡視下整復固定術の適応と術式 土井 一輝
鏡視下整復・固定術は関節内骨折CT分類で3-partが最も良い適応であり,2-partは鏡視を必要としない骨折が多く,4-part骨折は鏡視下手術のみでは整復困難なこともある.鏡視下整復は1mm以下の関節内骨片の転位を目標とする.
<上腕骨近位端>
高齢者上腕骨近位端骨折の保存療法
 ―下垂位での早期運動療法について―
石黒  隆ほか
整復操作により上腕骨骨頭の骨折面と骨幹端の骨折面とが向かい合うものは,受傷後1週から積極的な下垂位での振り子運動を行うことによって,骨癒合や可動域の獲得に満足する結果が得られる.
高齢者上腕骨近位端骨折の髄内釘固定 仲川 喜之
高齢者上腕骨近位端2-part内反短頚骨折,3-part内反骨折,4-part骨折にはEnder pinと軟鋼線による髄内固定法が,それ以外の2-,3-part骨折には順行性横止め髄内釘が第一選択となりうる.
高齢者上腕骨近位端骨折のプレート固定 衣笠 清人ほか
高齢者の上腕骨近位端骨折は骨粗鬆症を基盤に持つため,従来のプレートと異なりロッキング機構を持つLHSPを用いたプレート固定が有利である.
高齢者上腕骨近位端骨折の人工骨頭置換術 清水 弘之ほか
70歳以上の上腕骨近位端骨折に対する人工骨頭置換術は満足いく成績とはいえない.安定した成績を得るには男性例,80歳未満の女性,筋力訓練が可能で腱板機能の残存する症例を選択すべきである.
<脊 椎>
高齢者椎体圧迫骨折の保存療法
 早期診断と早期治療の重要性について
福田 文雄
高齢者椎体圧迫骨折の治療は早期診断が重要である.単純X線で診断が困難な場合MRIで正確な診断を行い,強固な初期固定として体幹ギプスや硬性コルセットでの早期治療を行う.
高齢者椎体圧迫骨折の手術療法 武政 龍一
CPC椎体形成術のポイントは体位による変形整復,CPC充填空間の確保,骨腔内面の新鮮化,血液混入の防止,高粉液比CPCの充填などであり,高齢者椎体骨折に対し低侵襲で除痛効果に優れる治療法である.
高齢者の骨粗鬆症性椎体圧潰(偽関節)に対する手術治療 種市  洋
骨粗鬆症性椎体圧潰(偽関節)の基本病態は前方支持性破綻と前方からの神経圧迫であるため,もっとも合理的な手術療法は前方脊柱再建術である.しかし,高度骨粗鬆症や全身合併症のため実施不能例もある.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.4
肩こり・後頚部痛の診療
 
肩こりの病態と症状 篠崎 哲也ほか
肩こりは慢性的な頚部から肩甲部にかけての張り感,重苦しさ疼痛などの症状名である.肩こりの病態に関する科学的研究はほとんど行われておらず,今後は広領域での縦断的・横断的協同科学研究が必要である.
肩こりの診断 松崎 雅彦ほか
肩こりを本態性肩こりと症候性肩こりに分け,主要疾患の診断のポイントを述べる.
肩こりの治療 高岸 憲二ほか
症候性肩こりに対しては,背景にある原因疾患を的確に診断し,それに応じた治療を行う.「いわゆる肩こり」に対しては日常生活の指導,運動療法や局所注射療法など対症療法を行う.
肩こりの薬物療法 林  協司
肩こりに対する薬物療法として消炎鎮痛剤や筋弛緩薬が一般的に使用されているが,抗不安薬や漢方製剤が有効な場合も多い.生活指導や理学療法と併せて症例に応じた薬物療法を行うことが重要である.
後頚部痛の症候学的見方と外科的解剖学 田中 信弘ほか
頚部痛の原因を解剖学的構造から神経組織(脊髄,神経根),椎間関節,椎間板,筋肉,椎骨に分類し,それぞれの部位から生じる痛みの特徴について考察した.
後頚部痛の診断の進め方 池本 竜則ほか
後頚部に生じる痛みの病態を整理したうえで,診断上の重要なポイントについて概説した.
後頚部痛の画像診断 前田  健
後頚部痛は日常頻繁にみられる愁訴であり,まずX線像でのスクリーニングが重要である.X線像,CT,MRIについて概説した後,症例を呈示した.
後頚部痛の保存療法 佐藤竜一郎ほか
後頚部痛に対する各種保存療法について述べた.単独あるいは組み合わせることにより疼痛のコントロールに効果的であり,かつ手術療法のスクリーニングとしても有用であると思われる.
後頚部痛に対する手術療法 松本 守雄ほか
後頚部痛に対する手術術式と適応疾患について概説した.病態に即した手術法の選択が重要である.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.3
変形性股関節症の関節温存手術
 
前・初期股関節症に対する臼蓋形成術の成績と手技上の工夫 伊藤  浩ほか
良好な成績を得るために次の4つが重要である.(1) 術後CE角は40°を目標とすべきである.(2) 臨床成績には術後の外転筋力の回復の度合いが大きく関与している.(3) 臨床的およびX線学的手術適応の遵守が最も重要である.(4) 反対側が末期股関節症か脱臼性股関節症の場合,本法の適応はない.
前・初期関節症に対する偏心性寛骨臼回転骨切り術の
 手術手技と臨床成績
長谷川幸治
(1) 手術理論である「骨移植をしなくても回転しただけで骨頭の位置が正常化すること」を理解する.(2) 手術方法は大転子を切離して,透視して骨切り位置と方向を正確に行う.手術計画どおりに臼蓋骨片を回転し透視で確認後に固定する.(3) 20の手術手技ステップを確実に行う.(4) 前・初期関節症の方が臨床成績・X線評価が良好であった.
前・初期関節症に対するCurved periacetabular osteotomy 内藤 正俊ほか
CPOは,10cm前後の皮切で前方から進入し殿筋群を全く剥離せずに寛骨臼を回転骨切りする方法である.侵襲が少なく,恥骨の骨切りを工夫することで移動臼蓋の内側化も行える.
前・初期股関節症に対するBernese periacetabular osteotomy 帖佐 悦男
PAOの術式や特徴を理解し,骨頭と寛骨臼や神経・血管の位置を解剖学的に十分把握し骨切りを行うことや,術中に被覆状態や適合性を確認することが重要である.
前関節症および初期変形性股関節症に対する
 大腿骨転子間弯曲内反骨切り術
神宮司誠也
寛骨臼移動術に比べて明らかに手術侵襲が少ない手術である.臼蓋形成不全の軽い,前関節症や初期変形性股関節症例が適応となる.
進行期・末期股関節症に対する関節温存手術としての
 Chiari手術の工夫
大川 孝浩ほか
進行期・末期股関節症に対する大腿骨外反骨切り術併用Chiari手術は有用な術式であるが,十分な症例の検討・術前計画を行うとともに,症例に応じては臼蓋骨移植術・ハムストリングス切離術を併用することで成績向上が期待できる.
進行期・末期股関節症に対する外反屈曲骨切り術
 ―理論と手技,合併手術の適応,成績―
高平 尚伸ほか
外反屈曲骨切り術は“いわゆる適合”を得る目的で行われるものではなく,いったん関節の整合性を完全に乱して,生体に内在する自己修復力を引き出し“関節再生”を促進しようとする手術である.
変形性股関節症に対する筋解離術
 ―X線学的効果と手術適応の考え方―
大谷 卓也
筋解離術の最も良い適応は,末期の変形性股関節症で,臨床的には疼痛は強いが支持性は比較的良好な症例,X線所見では増殖骨が広範な接触面を形成しているが関節裂隙の消失と対向面にびらん状骨破壊を認める症例と考えている.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.2
上肢の関節鏡手術のコツとpitfall
 
肩関節鏡視下手術における工夫:knot tyingなど 三笠 元彦
鏡視下手術の工夫をknot tyingを中心に述べた.新knotを紹介し,既存knotも含め,knotの分類と,何が有用なknotであるかを検証した.
反復性肩関節前方不安定症に対するKnotless anchorを用いた
 鏡視下Bankart法:コツとpitfall
林田 賢治
アンカーループで把持できる組織量は5〜6mmであり,ループを掛ける際には5mm程度に調整する必要がある.アンカーの打ち込みは組織とアンカーループの緊張をみながら慎重に行い,打ち込み後に牽引しアンカーを骨内に固定する必要がある.
反復性肩関節前方不安定症に対する鏡視下手術:コツとpitfall 小松田辰郎ほか
反復性肩関節前方不安定症に対するビーチチェアポジションで行うスーチャーアンカーを用いた鏡視下Bankart修復術の術式を解説し,そのコツとpitfallを説明した.
反復性肩関節前方不安定症に対する鏡視下手術
 ―病態からみた治療法と手術成績―
藤田 耕司ほか
鏡視下に関節包断裂およびHAGL病変を認めた外傷性肩関節前方不安定症の病態と治療法について検討し,腱板断裂などの随伴病変の対処や鏡視下バンカート法の問題点について述べる.
腱板断裂に対する鏡視下手術:側臥位で行う
 関節鏡視下腱板修復術
瀧内 敏朗
関節鏡視下腱板修復術は,不全断裂から広範囲断裂までのすべての症例が対象となる.本法は低侵襲であるばかりでなく,退縮した腱板断端や様々な随伴病変へのアプローチも容易である.
腱板断裂に対する鏡視下手術:コツとpitfall 近  良明ほか
ビーチチェアーポジションでの関節鏡視下腱板修復術をよりスムースに行えるよう,セッティング,ポータルの作成を詳述し,腱板断端に糸をかける手技を具体的に説明している.
関節鏡視下腱板縫合術
 ―Open法にない利点,手術手技と成績,今後の展望―
小林 尚史
Open法で可能な手技はすべて関節鏡視下で可能であり,鏡視下手術の一番のメリットは腱板のmobilizationを無血野で段階的に確実に行うことができる点である.このことは修復腱板のintegrityを良くするためには非常に重要で,臨床成績向上のキーポイントである.
拘縮肩に対する鏡視下全周性関節包切離術 武田 浩志
的確な視野により確実,安全に全周性関節包切離術を行う手技を説明する.
肘関節鏡視下手術の基本 前田 和彦ほか
腹臥位での肘鏡視下手術に必要な基本的手術手技,portal placement,疾患別手術手技および合併症などについて述べた.
スポーツ選手の肘関節障害に対する鏡視下手術 山崎 哲也
スポーツ選手の肘関節障害につき鏡視下手術の適応となる障害を中心に,その手術適応および手術手技と手術成績を記述した.
手根管症候群に対するendoscopic surgery 六角 智之
手根管症候群に対する鏡視下手術(奥津法,Chow法)の方法,コツについて,またその成績,特に透析患者の再発例について述べた.
三角線維軟骨複合体損傷に対する手関節鏡視下手術 中村 俊康
TFCCに対する手関節鏡視手技,鏡視下部分切除術と鏡視下縫合術の実際を解説した.
Monthly Book Orthopaedics. Vol.19 No.1
骨折治療積極的保存療法のコツ
 
骨粗鬆性脊椎圧迫骨折に対する積極的保存療法のコツ 吉田  徹
初診で診断し,即時,ギプスまたは装具で体幹外固定をする.診断は特徴ある「痛みの形」で可能.1〜2週後のMRI診断の結果待ちは椎体圧潰が進行するので許されない.椎体癒合不全の予防と治療は仰臥位臥床の禁止が有効.
上腕骨頚部骨折に対する積極的保存療法のコツ
 ―下垂位での早期運動療法について―
石黒  隆ほか
整復操作により上腕骨骨頭の骨折面と骨幹端の骨折面とが向かい合うものは,受傷後1週から積極的な下垂位での振り子運動を行うことによって,骨癒合や可動域の獲得に満足する結果が得られる.
上腕骨骨幹部骨折に対するfunctional brace療法のコツ 小林 修三ほか
上腕骨骨幹部骨折はその解剖学的特性から保存療法に適した骨折である.Functional brace療法の原理,適応,管理および合併症について述べる.
小児の上腕骨顆上骨折に対する保存療法のコツ 田島  明
小児上腕骨顆上骨折の保存療法を成功に導く鍵は,速やかに解剖学的に正しい整復位を得ることと,得られた整復位を維持するために,肘関節を120°程度の鋭角屈曲位に3週間保持することにある.
前腕骨骨幹部骨折に対する保存療法のコツ 高樋康一郎ほか
前腕骨折の治療にあたり,注意すべき点は回内外機能の温存である.自然矯正のポテンシャルに留意し,骨間スペースを意識した整復,固定法により良好な成績が得られる.
高齢者(75歳以上)の橈骨遠位端骨折に対する保存療法のコツ 田嶋  光
75歳以上高齢者の橈骨遠位端骨折に対しては,絶対的手術適応を除き本年代の特性と症例ごとの必要とされるゴールを理解したうえで,解剖学的整復の程度と治療法を決定する.
手の骨折に対する保存療法のコツ 中島 英親
手の機能解剖を理解し,骨折の転位のメカニズムを考慮し整復固定し,ギプス固定をする.固定関節以外は動かせるようにする.特に,MP関節は楕円関節なので,伸展拘縮を起こさないようにする.
大腿骨近位部骨折に対する積極的保存的治療のコツ 浜西 千秋
大腿骨近位部骨折治療の選択肢は数多くある.9つの様態のうち手術は3つに過ぎない.患者のニーズを聞かず,手術に誘導しがちな医師は,今後は余計なリスクを患者や病院に与えるリスク医になりかねない.
脛骨骨幹部骨折に対する機能的装具療法のコツ 林  泰夫
低エネルギー損傷による脛骨骨折は転位も少なく,特に,AO分類のA型は機能的装具療法の良い適応である.装具着用下の荷重歩行で骨癒合が促され,受傷直後の短縮や一旦整復された屈曲変形が増大することは通常無い.
踵骨関節内転位骨折に対する積極的保存療法のコツ
 ―徒手整復法―
大本 秀行
踵骨関節内転位骨折の徒手整復法は現在では整形外科専門医であれば必須の手技であり,この徒手整復法の実際とコツならびに適応を中心に本骨折に対する治療法の考え方について述べた.