Monthly Book Medical Rehabilitation. No.87
脳性麻痺のリハビリテーション
 
脳性麻痺の診断と評価 栗原 まな
脳性麻痺は受胎から新生児期までに生じた非進行性病変に基づく永続的な運動および姿勢の異常であるが,診断にあたっては危険因子の把握,病歴聴取,診察が大切である.
新生児医療からみた脳性麻痺のリハビリテーション 神原 孝子ほか
周産期・新生児期に受傷した脳障害により,様々なハンディキャップを持ちながら生きていかなければならない子どもたちがいる.新生児期のリハビリテーションには,運動のみならず,呼吸や栄養,発育発達まで考慮した根気強い訓練が必要である.
脳性麻痺の小児科治療 武下草生子ほか
全身的医療ケア,特に摂食・嚥下障害,呼吸障害,胃食道逆流症の内科的管理を解説する.また近年痙縮の治療として注目されているA型ボツリヌス毒素療法について解説する.
脳性麻痺の整形外科的治療 野村 忠雄
脳性麻痺の変形・機能障害の発現機序を運動学的な立場で解説し,それに基づいた整形外科的選択的痙性コントロール手術の実際と成績を述べた.
脳性麻痺の理学療法 河村 光俊
減捻性立ち直り反応の種類と期待する反応時間到達により運動に変化が起きてくることを解説した.
脳性麻痺の作業療法 長谷龍太郎
脳性麻痺に対する作業療法は,対象者の生活文脈を反映した介入が重要であり,COPMやGASを用いた効果検討が求められている.近年ボツリヌス毒素注入やCIMTとの併用が注目されている.
脳性麻痺の言語聴覚療法 高見 葉津
言語聴覚療法では,ライフステージや障害の様相に応じてより豊かな日常生活を目指して発声・発語,言語能力,AACの導入,摂食・嚥下機能への支援を行う.
脳性麻痺の心理的アプローチ 太田 令子ほか
各ライフステージと発達段階に応じた自己選択,自己決定をしていけるような環境条件の整備と自尊感情を高める支援について述べる.
成人に至った脳性麻痺のリハビリテーション 曽根  翠
成人期に至った脳性麻痺の生命予後,機能予後,機能低下の原因となる2次障害などについて解説したうえで知的障害のレベルに合わせたリハビリテーションのポイントを述べる.
重症心身障害医療からみたリハビリテーション 口分田政夫
ライフサイクルにおける目標や,呼吸障害や消化器障害の予防,可能性を引き出すリハビリテーションのポイントについて述べる.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.86
電気・磁気刺激によるリハビリテーションへの応用
 
脳卒中の回復とTMSによるcortical mapping 衛藤 誠二ほか
TMSによるマッピングにより,脳卒中後の脳の神経再構築の状態や,麻痺を改善する治療による大脳皮質の変化を調べることができる.
rTMSとtDCSによる運動野における可塑的変化 藤原 俊之
TMSならびにtDCSを様々な条件で使用することにより,脳の可塑的変化を起こすことが可能となっており,脳卒中やジストニアの治療にも応用されつつある.
rTMSによる脳の可塑性変化(高次脳機能障害) 新藤恵一郎ほか
非損傷半球頭頂葉への低頻度rTMSは,半側空間無視を改善しうる新しい治療法として期待されるが,全例に必ずしも有効ではないため,更なる検討が必要である.
神経変性疾患とTMSの応用 中馬 孝容ほか
神経変性疾患であるパーキンソン病と脊髄小脳変性症について,経頭蓋磁気刺激による機能評価と現時点での反復経頭蓋磁気刺激による治療の試みの見解について記載した.
TMS,H反射による運動コントロール研究 菅原 憲一
経頭蓋磁気刺激を用いた運動誘発電位とH反射を用いた運動制御解析の方法論を呈示する.また,遠隔筋促通法に関わる中枢メカニズムの解析の試みを解説する.
片麻痺上肢に対する筋電応答電気刺激(パワーアシストタイプ) 原  行弘
導出した筋活動電位に比例した電気刺激が同一筋に行われるパワーアシストタイプ治療的電気刺激を,脳卒中片麻痺上肢に対して適応し機能改善効果が認められている.
脊髄損傷における下肢のFES 島田 洋一ほか
機能的電気刺激は先端医療で,制御技術の進歩により脊髄損傷でも従来得られなかった機能を獲得している.さらに,磁気刺激は,マイクロチップの開発により,電気刺激に代わるものとして期待される.
摂食・嚥下障害に対する頚部筋の電気刺激 加賀谷 斉ほか
頚部筋の電気刺激による舌骨・喉頭挙上再建を解説し,表面電極による治療的電気刺激,埋め込み電極による機能的電気刺激の可能性について言及した.
電気刺激による筋力増強
―ハイブリッド訓練法の臨床・宇宙医学への応用―
志波 直人ほか
電気刺激を運動抵抗ととらえた運動法,ハイブリッド訓練法は健常人の筋力増強に有効であり,筋骨格系廃用予防・改善にも有効であることが示唆された.
仙骨神経電気刺激 小倉 隆英ほか
骨盤内臓器の機能障害に対するニューロモジュレーションについて述べ,排尿障害および月経困難症に対する電気刺激治療の実際を紹介する.
骨格筋電気刺激による末梢循環改善 長坂  誠ほか
骨格筋に対する電気刺激は,血管拡張・血管新生誘導・血管拡張物質放出の機序を介して末梢循環を改善させる.臨床でも末梢循環改善目的の電気刺激療法が試みられている.
電気刺激による骨格筋収縮運動と
その2型糖尿病治療への応用
神崎  展ほか
骨格筋に対する電気刺激誘発性の筋収縮活動とその2型糖尿病に対する治療的応用について記載した.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.85
実践 脳卒中リハビリテーション
 
<総 説>
 急性期からの望ましい脳卒中リハビリテーションのデザイン化 原  寛美
急性期から効果的な離床,mobilizationなどの開始により,効果的な脳卒中リハビリテーションをデザインしていく方法論を具体的に示した.
 脳卒中における神経組織の可塑性・再生に関する知見・総説 中村 健正
脳卒中後にみられる神経組織の可塑性および再生の特徴ならびに機能回復との関連について記述し,生体が有する可塑性,再生能力を促進する研究の現状にも言及した.
 脳可塑性を促進するリハビリテーションプログラム 畠中めぐみほか
脳可塑性の証明や脳科学的な検証と関連づけたリハビリテーションプログラムを抜粋して概説する.
 脳卒中リハビリテーションにおける運動学習とその治療戦略 長谷 公隆
代償に基づいた運動スキルの最適化は,麻痺肢機能を最大限に導き出すような運動療法の場面が設定できるか否かに依存していることを運動学習理論に基づいて解説する.
<各論1・診断・治療とリハビリテーション>
 脳梗塞の病型診断と治療・リハビリテーション 橋本洋一郎ほか
脳梗塞急性期治療では神経症候と補助検査で臨床病型を診断し,積極的な治療とリハビリテーションを展開する.
 出血性脳血管障害の病型と外科的治療,リハビリテーション 青山 貴子ほか
脳実質内出血(主に高血圧性脳出血),くも膜下出血の原因や病型および外科的治療を概説し,リハビリテーションを開始する際の留意点を述べた.
 脳卒中診断における画像診断の進歩とリハビリテーション 中川原譲二
拡散テンソルtractographyによる皮質脊髄路の画像化や123I-Iomazenil(IMZ)-SPECTによる不完全脳梗塞の画像化は,脳卒中後の機能回復を予測する方法として注目される.
 急性期病院の脳卒中診療システム(SCU/SU)とケアマップ 藤本  茂ほか
急性期病院においては,rt-PA療法の的確な遂行,SUやSCUの整備,さらにはクリティカルパスによる効率的なチーム医療,早期リハビリテーションの推進が求められる.
<各論2・急性期リハビリテーション>
 Stroke unitにおける急性期脳卒中リハビリテーション 西川 順治ほか
脳卒中ユニット(stroke unit)は,合併症による死亡率を軽減し,長期予後を改善するとされている.SUにおける急性期リハビリテーションについて解説し,その実践について具体例を挙げる.
 脳卒中急性期リハビリテーションの離床プログラム 滝沢 歩武ほか
脳卒中急性期リハビリテーションプログラムにおいては,特に四肢のmobilization,早期離床が重要であり,また徹底したリスク管理のもとでの,質・量とも十分なリハビリテーションが求められている.
 脳卒中急性期からの歩行獲得・下肢機能改善のプログラム・
 下肢装具処方
熊崎 博司ほか
急性期における二次的合併症の予防から,早期離床,麻痺回復段階別の下肢装具を用いた歩行訓練と下肢機能改善のポイントについて述べる.
 脳卒中急性期からの上肢機能改善プログラム
 ―発症から2〜3週の間で実施する上肢機能訓練,麻痺状態別―
村山 幸照
過去に報告されている上肢機能改善プログラムの特徴と問題点について紹介.麻痺の状態別に,必要な視点と学習された不使用(learned nonuse)の予防に着目した具体的プログラムを提示した.
 脳卒中急性期における摂食・嚥下障害の評価とリハビリテーション 高橋 博達
本稿では,“摂食・嚥下アプローチの要点”に続いて,“経口摂取開始の判断基準と評価法”,さらに“摂食訓練の進め方”,“誤嚥性肺炎のリスク管理”について解説する.
<各論3・回復期>
 上肢機能障害に対する新たな治療法 藤原 俊之
片麻痺上肢機能障害への新しい治療を概説.我々が開発したHANDS療法についても紹介する.
 脳卒中患者の歩行分析と下肢装具処方 山本 澄子
健常歩行の特徴である立脚期の3つのロッカー機能の観点から,片麻痺歩行の特徴と短下肢装具の役割を述べ,歩行分析に基づいた装具処方の提案を行った.
 構音障害・失語症の効果的な改善プログラム 古木ひとみ
脳卒中に伴う言語障害として,運動障害性構音障害と失語症について取り上げた.急性期から亜急性期以後の評価と治療アプローチに関して概説した.
 脳卒中による失調症の評価とリハビリテーションプログラム 鈴木幹次郎ほか
運動失調の臨床的評価と客観的評価について概観した.また代表的なリハビリテーションアプローチ法についてまとめた.
 急性期から回復期前半にかけての脳卒中リハビリテーション
 クリニカルパス
駒井 雅美ほか
入院時motor FIMによって分類した群ごとの回復過程を元に回復期前半に限定した脳卒中リハビリテーションクリニカルパスを作成したので概説した.
 半側空間無視・注意障害の評価とリハビリテーションプログラム 大沢 愛子ほか
右半球脳卒中患者の半側空間無視について解説を行った.半側空間無視のリハビリテーションでは,無視症状のみにこだわらず,残存機能に対するアプローチも必要であると思われる.
 脳卒中による記憶障害の評価とリハビリテーションプログラム 貝梅 由恵
脳卒中に伴う記憶障害について,病巣や主症状を取り上げ,記憶障害の評価,認知リハビリテーションについて概説した.
<各論4・回復期後半〜慢性期>
 脳卒中リハビリテーションにおける薬物処方 小澤 恭子
脳血管障害の回復期,維持期にリハビリテーションの阻害因子となる精神神経症候と,その治療について述べる.
 総合病院における望ましい回復期リハビリテーションシステム
 プログラム
城井 義隆ほか
もはや「リハビリテーション専門病院」だけで回復期リハビリテーション・アプローチを行うのではなく,急性期病院にこそ回復期リハビリテーション・システムが必要であることを述べていく.
 回復期リハビリテーション病院・病棟の運営 山鹿眞紀夫ほか
急性期-回復期-維持期病院・施設間でのface to faceでの連携を構築し,リハビリテーション病院は診療能力を高め,必要かつ十分な集中的リハビリテーション医療サービスを提供していく必要がある.
 脳卒中患者に対する在宅リハビリテーションプログラム 土田 昌一
在宅脳卒中患者のプログラムは,機能やADLだけでは維持できないものが多い.包括的診断の体制整備のうえで対応すべきである.
 失語症患者に対する継続的指導と援助のあり方 森田 秋子
失語症患者の社会復帰を支援するために,失語症患者の回復の特徴と各ステージにおける支援のあり方について,関係者が理解を深めることが重要である.
 脳卒中患者の心理的側面への継続的援助の方法 岡本五十雄
「頑張ってね」は,状況に応じて十分に使える言葉である.苦悩,落胆,希死念慮には,思うように機能しない上下肢の影響が大きい.障害を個性の一部と認めるのには,上肢能力が影響し,長い年月を要する患者が多い.
 骨関節疾患を有する脳卒中患者へのリハビリテーション 福田 寛二
片麻痺患者の歩行訓練を行ううえで,変形性膝関節症による膝関節痛は大きなリハビリテーション阻害因子となる.これに対して以前は消炎鎮痛剤や温熱療法が一般的であったが,最近は運動療法が推奨されている.
 心疾患を有する脳卒中患者へのリハビリテーションプログラム 牧田  茂
脳卒中患者が心疾患を合併している場合,循環器に関する知識が当然必要とされ,心肺運動負荷試験の結果が参考になる.動脈硬化性疾患の再発予防という観点から運動指導や生活指導を行うことが望まれる.
 透析実施の脳卒中例に対するリハビリテーションプログラム 太田 昭生
人工透析患者の特殊性を把握し,循環と栄養の安定が必須である.早期リハビリテーション訓練の開始と少量頻回に十分訓練することが必要である.
 脳卒中患者の復職援助の具体的方法
 ―職業リハビリテーションの立場から―
田谷 勝夫
脳卒中を原因とする高次脳機能障害者の復職支援策である「職場復帰支援プログラム」の具体的方法を紹介し,その有効性を検証した.
 日本脳卒中協会の活動 中山 博文
(社)日本脳卒中協会は,一般市民を対象とした予防と発症時の対応に関する講演会や新聞キャンペーン,患者・家族支援のための電話相談,体験記の募集などを行っている.
 脳卒中の在宅診療 室積 正人
慢性期における在宅生活をしている脳卒中患者に対するリハビリテーション上のチェックポイントを述べた.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.84
大腿骨近位部骨折の
リハビリテーションの実際
 
大腿骨近位部骨折の分類と疫学 萩野  浩
大腿骨近位部骨折は頚部骨折と転子部骨折とに分けられ,年間に約14〜16万例が発生している.30年後には患者数が2倍に達し,90歳以上の患者がその半分を占める.
転倒予防による大腿骨近位部骨折予防 小松 泰喜ほか
転倒・骨折予防には,転倒リスクの適正な評価と,高齢者の心身の活性化の動機付けとなるような創意工夫が組み入れられた運動・生活指導の実践が必要である.
手術前に施行すべきリハビリテーション 石田 健司ほか
術前リハの目的は,(1)併存症の評価と対応,(2)廃用症候群(筋力低下・関節拘縮・DVT,肺炎等)の予防を行い,可能な限り受傷前のADLを術後に再獲得させることである.
大腿骨近位部骨折患者の手術後予後予測と早期リハビリテーション
―認知症の患者の歩行予後―
伊藤  淳ほか
歩行再獲得が困難な認知症の大腿骨近位部骨折患者の調査で,歩行能力維持に影響する因子は,HDS-Rスコア,病識,歩行意欲,徘徊傾向,術直後の起立能力であった.
手術方法と術後リハビリテーションプログラム
―診療ガイドラインからの考察―
渡部 欣忍ほか
大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドラインの内容を中心にして,大腿骨近位部骨折の治療およびリハビリテーションの現状について概説した.
認知症と術後リハビリテーション 篠崎 哲也ほか
高齢者の大腿骨頚部骨折患者では,術前後の脳FDG PETが認知症の発症や進行を予測するうえでの有用な検査手段となる可能性が考えられる.
大腿骨頚部・転子部骨折
―合併症を有する症例への対応―
中野 哲雄ほか
大腿骨頚部・転子部骨折患者は高齢であり,多くの合併症を持っている.整形外科医師はこれらの合併症に対しある程度の知識が必要である.そして専門的な分野では内科医師などとの連携が極めて重要である.
大腿骨近位部骨折と地域連携クリティカルパス 野村 一俊
地域連携クリティカルパスの作成と運用には,連携施設のスタッフの参加,施設間の診療方針統一,達成目標設定,バリアンス収集システム構築,定期的会合が必要である.
大腿骨近位部骨折のリハビリテーション看護
―日米英のベンチマーキングから―
森山美知子ほか
大腿骨近位部骨折は外傷性疾患で,合併症を予防し早期の回復を図るために,発症直後からの対応が必要で,アウトカムマネジメントの視点が必要となる.
骨折後の高齢者に対するリハビリテーション 藤田 博曉
骨折後の高齢者では運動機能の低下がADLや生命予後に影響を与える.このような状態を「骨折後症候群」として捉え,運動機能の改善からADLの維持向上への具体策を述べる.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.83
摂食・嚥下障害の評価と治療
トピックス
 
プロセス・モデルのインパクト 馬場  尊
プロセス・モデルは咀嚼を伴う“eating”の嚥下動態を説明し,“drinking”と非常に異なっている.これは今や摂食・嚥下リハビリテーションの基本知識である.周知されたい.
嚥下内視鏡検査の展開 石井 雅之
嚥下内視鏡検査は病棟や在宅でも施行可能で,直視下で咽頭喉頭を観察でき,評価法として利用価値が高く日本で広まってきている.
嚥下肢位再考 岡田 澄子
臨床でよく用いられる嚥下手技について,その効果と適応を解説し,従来考えられてきた概念と異なる点を最近の知見に触れながら考察する.
嚥下訓練手技再考 小島千枝子
嚥下訓練手技の適応にあたっては,医療者が目的をきちんと理解し,患者の症状に合った手技を選択し,患者に正しく指示を伝え,ねらい通りの動作が行われているかの確認が重要である.
外科的介入 桜井 一生
嚥下機能改善手術の目的と適応および各術式の概要ならびに実際につき述べた.手術の効果については自験例の術後機能を評価し紹介した.
嚥下障害食の展開 藤谷 順子
嚥下障害食においては,粘度,硬度,付着性,凝集性,可変性などの性質に加え,食事としての味・多様性も必要である.
歯科的介入と誤嚥性肺炎予防効果 植田耕一郎
急性期から維持期に向かうにつれて,摂食・嚥下障害の数的本質は口腔相の問題へと移行する.全面的な経管栄養管理であっても,定期的な一口の経口摂取が,肺炎を予防する.
脳卒中の嚥下障害 小口 和代
脳卒中の嚥下障害では近年,特に大脳の機能と回復機序,長期帰結研究で展開があった.自験例を紹介しながら,脳卒中の嚥下障害について概観する.
パーキンソン病の嚥下障害 山本 敏之
パーキンソン病の嚥下異常の特徴とパーキンソン病の経過中に出現するイベントが嚥下機能に与える影響について解説する.
ALSと筋ジストロフィーの嚥下障害 野崎 園子
ALSの嚥下・栄養管理のアルゴリズムを,厚生労働省精神・神経疾患研究委託費「政策医療ネットワークを基盤にした神経疾患の総合的研究」の研究班で作成した.Duchenne型筋ジストロフィー患者では,10歳代より口腔期の異常が存在し,さらに20歳頃より咽頭残留などの咽頭期障害が出現する.筋強直性ジストロフィーでは,摂食・嚥下障害の自覚に乏しく,誤嚥のリスクはかなり高い.これらの疾患では,呼吸不全が嚥下状態に影響を及ぼす.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.82
内部疾患のリハビリテーション
―効果と実際―
 
内部疾患患者の現況と問題点 上月 正博
激増する内部疾患患者の現況と問題点を概説するとともに,飛躍的に進歩した内部疾患リハビリテーションの概念と重要性,その普及のためのポイントについて述べる.
心筋梗塞の包括的リハビリテーション 金澤 雅之
急性心筋梗塞の病態と治療に関する最新の知見および包括的心臓リハビリテーションの3期に分けた内容やその効果について概説した.
心不全のリハビリテーション 牧田  茂
心不全の運動療法は適応を見極め,事前のチェックと個別の運動処方ならびに毎回のモニタリングにより安全にかつ効果的に実施でき,そのエビデンスは確立されている.
呼吸リハビリテーションとガイドライン 黒澤  一
呼吸リハビリテーションは薬物治療と並ぶ必須の治療であり,国内的にもマニュアルが発刊され,普及が期待されている.
呼吸リハビリテーションの理学・運動療法 髻谷  満ほか
呼吸理学療法であるリラクセーション,排痰法,呼吸練習,呼吸筋トレーニングの紹介と,その主体となる運動療法について解説した.
腎不全のリハビリテーション 伊藤 大亮ほか
腎疾患患者に対する運動療法を中核とした包括的「腎臓リハビリテーション」という新しいアプローチが近年注目されており,その有効性が明らかにされてきている.
排泄機能障害のリハビリテーション 原  行弘
排尿機能分類は改訂され,過活動性膀胱は自覚症状だけで診断が可能となり,広く一般医師により診断,対処が可能となった.神経因性の便失禁に対しては外肛門括約筋バイオフィードバックが有効である.
生活習慣病のリハビリテーション 石田 健司ほか
医師は,適切な運動処方を行い内臓脂肪を減少させ,生活習慣病の発生予防に努め,生活習慣の行動変容を継続できるよう,各種職種をコーディネートする必要がある.
摂食・嚥下障害のリハビリテーション 馬場  尊
摂食・嚥下リハビリテーションには,咀嚼嚥下の概念が不可欠だ.訓練は栄養を改善し肺炎を防止してから行う.各種嚥下法・訓練法はその目的を再確認して適応すべきである.
廃用症候群について 後藤 杏里ほか
内部疾患を有する患者の廃用像は多様化しており,個々の臓器別に問題点を抽出し,リスク管理に留意したうえで早期離床,早期リハビリテーションを進めていく.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.81
リハビリテーションと介護保険
 
医療保険と介護保険における
リハビリテーションの位置付けは?
浅山  滉
高齢社会突入でおおいに期待されていた介護保険制度も,政府の経済財政至上主義のあおりで,需要の増加とは逆に予算削減策で介護難民の声があがり始めた.そのからくり(医療保険優遇の陰にあえぐ介護保険のリハビリテーション)を理解する.
回復期リハビリテーション病棟から次につなぐ退院後の
リハビリテーションの流れ
―急性期・回復期・維持期を結ぶ脳卒中地域連携パス―
渡邊  進ほか
回復期リハビリテーション病棟では機能訓練に加え,チームアプローチによる生活復帰のためのリハビリテーションアプローチ,在宅訪問,介護保険申請などが重要となる.退院後速やかに訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションなどを上手に利用する.
介護保険施設におけるリハビリテーション
―その実状と方向性―
高田耕太郎
介護保険3施設におけるリハビリテーションの実状と問題点について,介護サービス施設・事業所調査結果および当法人内での試みを踏まえて概説した.
通所リハビリテーション・通所介護での
リハビリテーションの実際
山永 裕明ほか
介護保険法改正・介護報酬改定で通所リハビリテーションにおける短期集中リハビリテーション新設は病院退院後の在宅生活復帰へのリハビリテーションの流れにはプラスとなった.
病院通所リハビリテーションの事例・問題点・
今後の展望は?
―「ろんぐてーる」の開設を通じて―
甲斐 健児ほか
平成18年度の医療・介護保険報酬改定によって,従来の外来リハビリテーションを介護保険を利用した病院併設型通所リハビリテーション「ろんぐてーる」に移行した経緯を述べる.
訪問看護ステーションの訪問リハビリテーションの実際は? 外山恵美子ほか
当訪問看護ステーション・訪問リハビリテーションの内訳と訪問リハビリテーションの利点,問題点について症例も含めて述べた.
予防給付事業のノウハウ 速水  聰ほか
新予防給付事業のノウハウとして,医療機関と連携した短時間滞在型の通所系サービスに理学療法士等が積極的にかかわる形を提案する.
地域リハビリテーションの事例 長谷川 幹
高齢者も筋力トレーニングにて改善が認められ,訪問・通所活動を含めた地域活動は「あせらず,あきらめず」,年単位でのかかわりが求められる.
かかりつけ医の現状,期待される役割 堀田富士子
かかりつけ医は医療と介護の橋渡し役であり,ケアマネジャーをはじめとする地域スタッフとの多職種協働による最良のケアマネジメント作成が求められている.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.80
変形性股関節症のリハビリテーション
 
変形性股関節症に対する積極的保存療法 大橋 弘嗣ほか
変形性股関節症に対する運動療法は前期・初期例に加えて,高位脱臼やペルテス様変形例に対しても有効であり,またその効果は長期間持続するので筋力強化を続けることが重要である.
変形性股関節症に対する保存療法の効果
―歩行分析を中心に―
鈴木 康司ほか
変形性股関節症における自然経過について歩行分析を用いたバイオメカニカルな観点から検討した.歩行分析が変形性股関節症における保存療法の効果判定に有用となる可能性があることに注目していただきたい.
変形性股関節症の保存的療法としての運動療法 奥村 晃司ほか
保存的療法として運動療法を実践する場合には,医学的な情報や問診をもとに,局所的アプローチに加え,姿勢や日常生活諸動作のなかでみられる運動連鎖の視点から障害構造を分析し,全身的視点も加味した治療展開を行うと症状改善に対し有効である.
変形性股関節症に対する
寛骨臼回転骨切り術のリハビリテーション
松田 圭二ほか
寛骨臼回転骨切り術において我々は計画的で効率的な方法として,術後早期のリハビリテーションをベッド上安静期,離床期,非荷重歩行期の3期に分けて実行している.
青・壮年期の変形性股関節症に対する
Chiari併用大腿骨外反骨切りのリハビリテーション
渡會 恵介ほか
当院のChiari併用大腿骨外反骨切り例は術前の病期が進行している.Chiari併用大腿骨外反骨切り術後は股関節の筋力や可動域の改善が得られ,また筋拘縮に対してストレッチを指導し,良い成績を得ている.
進行期・末期変形性股関節症に対する
大腿骨外反骨切り術のリハビリテーション
後藤 英司ほか
本法の目的は関節軟骨を再生させることにより関節機能を再建することであり,良好な成績を得るためには,適応や手術手技に加えて長期の術後リハビリテーションが重要である.
変形性股関節症に対する筋解離術の
リハビリテーション
飯田  哲ほか
オマリー筋解離術を施行する際には,手術適応を十分に検討し,術後は股周囲筋の攣縮と関節拘縮をきたさないよう水中訓練を主体にリハビリテーションを進めることが重要である.
人工股関節置換術のリハビリテーション 持田 勇一ほか
人工股関節置換術の各アプローチを解説し,最小侵襲手術や術後リハビリテーション,注意点などについて述べる.
両側一期的人工股関節置換術のリハビリテーション 葛山 智宏ほか
当院における両側一期的THAプログラムを紹介し,理学療法評価を含めたプログラム実施上の注意点を示す.
人工股関節再置換術のリハビリテーション 神野 哲也ほか
人工股関節再置換術の術後リハビリテーション計画においては,股関節の耐荷重性と関節安定性を骨・インプラント構造および軟部組織の双方の観点から評価する必要がある.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.79
リハビリテーションにおける疼痛コントロール
 
痛みの概念,急性痛と慢性痛 中塚 映政
症状としての痛みである急性痛と病気としての痛みである慢性痛症の違いについて解説し,両者の鑑別の重要性について述べる.
痛みとリハビリテーション 柴田 政彦
リハビリテーション現場における痛みの取り扱いは重要であり,医療者が取得すべきスキルの1つである.
痛みと心身医学
―リハビリテーションに望まれるもの―
細井 昌子
痛みの心身医学,特に認知行動学の視点から疼痛性障害の評価法を概説した.行動の変容を支持する手法である動機づけ面接はリハビリテーションの臨床にも有用である.
慢性痛のリハビリテーション
―オーストラリアでは―
松原 貴子
慢性痛リハビリテーションはADL・QOL向上をもたらす包括的な痛み治療法である.認知行動療法に加え,筋の運動療法やコンディショニングは痛みの軽減に効果的である.
運動器の痛みのアセスメント 鈴木 重行
運動器の痛みのなかでも,軟部組織由来の痛みのアセスメントについて,フローチャートとともに具体的方法について示した.
整形外科からみた痛みのリハビリテーション
―慢性痛―
村上 孝徳ほか
慢性疼痛の治療において疼痛管理の重要性は言うまでもないが,疼痛管理はあくまでも手段であり最終的な目標は,QOLの確保にある.
整形外科からみた痛みのリハビリテーション
―肩の痛み―
岩堀 裕介
肩の痛みを疾患別ではなく発生要因別に考察してみた.発生要因として関節内圧や肩峰下滑液包圧などの圧の問題,impingementに代表される機械的問題,滑膜炎,神経障害などを挙げた.
痛みに対する徒手療法
―ストレッチング―
伊藤 俊一ほか
有痛症者に痛みの変化を認識させることが行動変容をもたらすきっかけとして,ダイナミックストレッチングの有効性について概説した.
神経内科からみた痛みのリハビリテーション 田丸  司
代表的な神経因性疼痛について,末梢神経障害と中枢神経障害に分けて,症候,機序,治療法,リハビリテーションにおける留意点などについて概説した.
痛みと運動療法 沖田 一彦ほか
痛みに対する運動療法として,筋力増強訓練と感覚-運動再教育について概説した.また,認知運動療法における痛みへのアプローチについて紹介した.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.78
呼吸リハビリテーション実践マニュアル
―基礎から臨床まで―
 
急性呼吸不全の病態と治療 平尾  収
急性呼吸不全の定義,病態の理解を中心に執筆した.最後に,重篤な急性呼吸不全を起こす疾患の代表としてARDSについて簡単にまとめたので参考にして頂きたい.
慢性呼吸不全の病態と治療 加藤 元一
解剖学的に既に破壊が完成した呼吸不全を呈する慢性肺疾患を治癒させることはできない.したがって,これら病態に対する治療は,ADLを拡大し,患者のQOLを高めることにある.呼吸器リハビリテーションの最も適応となる疾患はこれら慢性呼吸不全を呈する疾患である.
呼吸不全の画像診断 高田 達良ほか
胸部単純X線写真は,患者の体位,呼吸状態,撮影方法,人工呼吸器の設定などで,心血管陰影などの見え方が大きく異なり注意を要する.
血液ガスからみた呼吸不全 村尾  仁
血液ガスは外呼吸を評価する指標であることを認識し,その異常が症状や身体所見に及ぼす影響は,急性と慢性で大きく異なることも理解する必要がある.
呼吸リハビリテーションで用いる評価 安藤 守秀
評価はリハビリテーションのプランニングの基礎情報になるとともにアウトカムの判定にも重要である.スタッフ全員が情報を共有し,患者個々に即したアプローチを検討することが重要である.
呼吸理学療法の実践とチーム医療 宮本 直美ほか
チーム医療による包括的呼吸リハビリテーションの重要性とその取り組み方を挙げ,呼吸理学療法の実践における他職種との連携・役割分担についてまとめた.
呼吸リハビリテーションで用いる理学療法手技 金  光浩
呼吸理学療法で用いる徒手的手技を中心に解説した.体位ドレナージ,呼吸介助手技は最も基本的な手技である.全身調整運動を早期から開始することが早期離床のために重要である.
周術期の呼吸障害について 西 憲一郎ほか
術中・術後を中心に周術期に引き起こされる呼吸障害の病態・原因やモニタリング,呼吸理学療法を含めた治療法について解説した.
新生児の呼吸障害について 大橋  敦
新生児の呼吸器疾患は多岐にわたるが,治療の成否が予後に影響を及ぼすため適切な診断と治療の選択が必要である.
本稿では新生児の代表的な呼吸器疾患と呼吸理学療法の適応について解説する.
急性呼吸不全に対する呼吸リハビリテーション 菅  俊光
急性呼吸不全に対する呼吸リハビリテーションの現状は,合併症が起こってからリハビリテーション依頼が出され,全身状態が悪いうえに廃用も起こしていて呼吸リハビリテーションも奏功せず入院も長期に及んでしまっている.循環動態が落ち着けば,換気の改善だけでなく,早期離床および合併症の予防のためにもできるだけ早期から呼吸理学療法を開始することが重要である.
慢性呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーション 前倉 亮治
慢性呼吸器疾患患者の呼吸リハビリテーションにおける,その病態評価とself-management患者教育の捉え方について言及した.
呼吸管理と換気モード 大塚 将秀
呼吸管理で最も大切なことは,全身でのエネルギー産生を良好に維持することである.酸素動態を中心としたモニタリングで酸素欠乏を生じさせない管理が重要である.
在宅酸素療法の適応と実際 石原 英樹
酸素流量設定にあたっては,安静覚醒時,睡眠中,入浴・歩行などの労作時など生活実態に応じたきめ細かな酸素流量の処方を行うことが重要である.
神経筋疾患の呼吸リハビリテーション 阿部 和夫
“神経筋疾患”は,神経系の障害に起因する多種多様な疾患からなっているが,病初期から呼吸機能障害が出現していることが多く,早期から呼吸リハビリテーションを開始すべきである.
新生児呼吸障害に対する呼吸理学療法 近藤 圭三
新生児呼吸介助手技(NBAT)は,児の呼吸胸郭運動に同調させ,吸気音の聴診と触診や視診による胸郭の拡張性の確認を注意深く行いながら,やさしいタッチで施行することが重要である.
重症児・者に対する呼吸リハビリテーション
―陽圧換気療法および肺内パーカッションベンチレーターの紹介―
金子 断行ほか
重症児・者の呼吸障害に対して,通常の呼吸理学療法に加えて,陽圧換気療法が必要と考えられる.重症児・者に対する陽圧換気療法を紹介する.
摂食・嚥下障害と呼吸リハビリテーション 柴田 斉子
摂食・嚥下障害のスクリーニング法,評価法を解説し,誤嚥性肺炎を防ぐためのリハビリテーション手法についてまとめた.
呼吸器疾患の栄養管理 吉川 雅則ほか
呼吸器疾患において栄養障害は予後や病態と密接に関連している.包括的な栄養評価と病態を考慮した積極的な栄養治療が必要である.
呼吸障害に対する薬物療法
―急性および慢性呼吸不全で用いられる薬剤と使用法,
副作用について―
久保 裕一ほか
急性呼吸不全の治療薬として,グルココルチコイド,好中球エラスターゼ阻害薬の可能性,慢性呼吸不全の治療薬としてのテオフィリン製剤,β刺激薬,抗コリン薬,グルココルチコイドの可能性について説明した.
急性呼吸不全の看護 南雲 秀子
急性呼吸不全患者の看護をするにあたっては,病状を正確に把握して,症状に対するケアを行う必要がある.客観的指標だけでなく,患者の訴えや家族からの情報等もアセスメントの大切な資料となる.
慢性呼吸不全患者の在宅看護 長濱あかし
慢性呼吸不全患者が安全に安心して療養生活を続けるためには,病状や生活環境など個々に合わせての工夫や対応が必要である.病状悪化時に早期発見・対応し,急性増悪を予防することが大切である.
呼吸リハビリテーションとEBM 松尾 善美
エビデンスに基づいた国際ガイドラインより,呼吸リハビリテーションの構成要素,推奨項目と効果等の世界的な動向について解説している.
診療報酬と施設基準 松尾 善美
呼吸器リハビリテーション料について算定対象,施設基準,算定料,算定期間について概説したうえで,その問題点や呼吸リハビリテーションの費用対効果にも触れている.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.77
介護福祉用具実践マニュアル
 
介護保険と福祉用具 渡邉 愼一
介護保険法改正により,2006年4月から要支援・要介護1に対して福祉用具サービスの利用制限が行われ,チームアプローチによる福祉用具の利用が推進されている.
車いす 高田 正三
車いすを選択する場合には,使用者の身体能力だけでなく,使用目的,使用環境,身体寸法,さらには車いすについての知識が豊富であることが重要である.
車いす付属品
―座位保持装置とクッション―
廣瀬 秀行
車いすを使用する高齢者は臀部や姿勢の支持を考慮しながら座位保持装置およびクッションを選択すべきである.
特殊寝台,特殊寝台付属品 窪田  静
特殊寝台と付属品の構造と特性を述べ,活動性向上と本人・介助者双方の身体への負荷軽減を目的とした選択と使用方法を解説した.
床ずれ防止用具,体位変換器
―褥瘡防止を意図したマットレス―
廣瀬 秀行
マットレスの選択は褥瘡リスクスケールを活用し,褥瘡リスクとQOLを考慮しながら,マットレスを選択すべきである.
手すり,スロープ 松葉 貴司
在宅における様々な手すりとその利用方法を場所ごとに紹介し,留意点を述べる.また,携帯用スロープの適切な利用のために,スロープ勾配の考え方を紹介する.
歩行器,歩行補助つえ 山田  深
障害の評価に基づく歩行補助具の処方と使用上の注意点について解説するとともに,高齢者によくみられる疾患における留意点をまとめた.
移動用リフト 加島  守
移動用リフトの種類と適応および吊り具の種類と適応について記述した.特に吊り具については本人の身体機能と介助者能力に合わせて適切な物を選ばなくてはならない.
腰掛け便座,特殊尿器 村井 千賀ほか
排泄のアセスメントのポイントから,腰掛け便座,特殊尿器の種類と特徴,利用する対象者像,使用上の留意点を解説した.
入浴補助用具,簡易浴槽 谷口 昌宏
「安全に」「無理なく」入浴するために,事故を防止する視点と障害や運動機能に応じて入浴補助用具を適切に使用することが大切である.具体的な入浴の方法と入浴補助用具を紹介していく.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.76
パーキンソン病のリハビリテーションガイド
 
パーキンソン病
―その歴史と治療法の変遷―
田代 邦雄
パーキンソン病は神経変性疾患のなかで最も多いものであるが,その原因究明,治療法の開発への努力は着実に進んでいる.その歴史的経緯と現状を把握することで専門的治療への一助となることを期待したい.
パーキンソン病の診察のポイント 村田 美穂
パーキンソン症状は薬剤効果,状況,精神的ストレスなどにより変化しやすい.診察時以外の日常生活上の問題点にも配慮して診察することが重要である.
パーキンソン病に対する治療法
―薬物療法を中心に―
長谷川一子
パーキンソン病治療は原則として個別性を重視した治療を行うべきである.治療開始は症状を認める場合は速やかに行い,年齢が若いほど薬剤選択に留意する必要がある.内科治療でコントロール困難な運動系問題症状(wearing-off現象の高度のもの,強度のジスキネジア)がある場合には,手術療法を考慮すべきである.
パーキンソン病の高次脳機能障害 大槻 美佳
高次脳機能障害はADLに大きな影響を与えるものであり,重要である.本稿では,パーキンソン病における高次脳機能障害を理解するにあたっての基本的事項,その障害の特徴,注意点などを概説した.
EBMに基づくリハビリテーション 中馬 孝容
パーキンソン病に対する訓練に関して,エビデンスの高い文献の紹介とともに,訓練効率の良い方法を紹介した.音刺激などの外発性随意運動を利用した訓練は効果的である.
パーキンソン病に対する理学療法 菊本 東陽
パーキンソン病に対する理学療法について,基本方針とその内容について概説した.理学療法の施行に際しては,病期に応じた治療プログラムを作成することが重要である.
パーキンソン病に対する作業療法 藤原 瑞穂ほか
パーキンソン病を持つ人々に対して,人,作業,環境の相互作用としての作業遂行に焦点を当てた評価とアプローチの例を紹介する.
パーキンソン病に対する言語療法 小池三奈子
パーキンソン病に伴う運動障害性構音障害の症状の特徴と,現在有効と考えられる言語療法および今後の課題について概説した.
パーキンソン病の嚥下障害 浦上 祐司
パーキンソン病は自覚症状がなくても嚥下障害をきたしている可能性がある.肺炎予防という観点から,自覚症状にとらわれない客観的な評価が必要である.
パーキンソン病に対する嚥下訓練 堤  昌恵ほか
パーキンソン病に対する嚥下訓練は,残存している機能を最大限に活用しての代償的方法が主となる.進行性の疾患であるため,その段階に応じた対処法を考える.
パーキンソン病に対する音楽療法 林  明人
パーキンソン病に対する音楽療法に関して,今回,音リズムを使うと歩行障害が改善,気分が良くなることを示した研究について概説した.
パーキンソン病に対する転倒対策
―家屋指導および在宅での訓練―
堀  享一
パーキンソン病患者の転倒は日中に多く,活動時に多い.廃用を予防し,活動性とQOLの高い生活スタイルを設定し,必要に応じた環境対策と監視・介助を強化する.
在宅生活における注意点 菅田 忠夫ほか
パ−キンソン病の在宅生活について,医学的治療手段,リハビリテーション的手段,日常生活の指導の三本柱で概説した.より良い在宅生活のためには,治療について理解し,主治医任せではなく自らも治療に参加するという関係をつくることが大切である.
軽症のパーキンソン病に運動療法は必要か? 長澤  弘
パーキンソン病に対する歩行トレーニングのなかで,トレッドミル後進歩行トレーニングの有用性に関して,歩行の諸機能を指標として検討した.軽症パーキンソン病患者にも早期から歩行機能や体力維持のために運動療法を導入すべきである.
Monthly Book Medical Rehabilitation. No.75
リハビリテーション関係者のための実践褥瘡予防・治療ガイド
 
<褥瘡の予防>
 生体工学から見た褥瘡発症要因 高橋  誠
褥瘡発症要因のひとつに力がある.最近は外力と生体内部の応力に分け,さらに外力は圧とずれ力に分けて考えられる.圧とずれ力の同時計測も可能となり多様な褥瘡形態の発症メカニズムが確立されつつある.
 圧迫とずれの予防 須釜 淳子
褥瘡の発生原因である外力を管理するには,骨突出部位に加わる外力の大きさと持続時間を減少させることである.
 栄養管理 幣 憲一郎
褥瘡治療に関わるすべての医療スタッフは,入院患者の低栄養問題を認識し,早期リハビリテーションの実施のためにも十分な栄養補給を意識すること.
 車いすにおける褥瘡予防 廣瀬 秀行
高齢者,脊髄損傷者の車いすは姿勢の制御,軟部組織の保護を目的に適切な座位保持装置およびクッションを選択する.
同時に,定期的な除圧動作を実施することが必要である.
 褥瘡予防のためのスキンケア 紺家千津子
スキンケアのポイントは,失禁と発汗による湿潤から皮膚を保護し,ギャッチアップや座位時の姿勢の崩れ,不随意運動,訓練時に起こる骨突出部の摩擦・ずれを回避することである.
<褥瘡の治療>
 褥瘡の創面評価法 西出  薫ほか
創面評価は,職種を越えた褥瘡対策チームの共通言語として認識されるべきである.褥瘡を正しく評価し,モニタリングすることが褥瘡治療やケア計画の推進に不可欠である.
 褥瘡の局所治療ガイドライン 宮地 良樹
褥瘡が急性期か慢性期か,深い褥瘡か浅い褥瘡かを判断し,臨床設問に応じて推奨度を参考に治療方針を臨床決断する際の一助となるのが本ガイドラインである.
 褥瘡の外用療法 立花 隆夫
局所治療の原則はwound bed preparationとmoist wound healingであるので,適宜DESIGNを用いて創を評価しそれに合わせた外用薬を選択することが大切である.
 ドレッシング材を用いた褥瘡の管理 三富 陽子
ドレッシング材は,湿潤環境を保持する効果を通して細胞遊走を助け,壊死組織の自己融解・排除を促進し,また汚染を防止するバリア機能,疼痛緩和,創面の保湿などの効果によって,創傷治療環境を形成する.したがって,創傷の状態,患者の状態に合わせて選択すれば,効率の良い創傷管理が行える.
 褥瘡の物理療法 杉元 雅晴ほか
褥瘡局所治療ガイドラインにおける物理療法効果について解説し,物理療法手段の選択基準と臨床で適用する時の基本的な治療条件について述べる.