Monthly Book ENTONI. No.90
副鼻腔疾患の治療
―保存的か観血的か・その決断の時―
 
慢性副鼻腔炎・鼻茸 原田  保
マクロライド少量長期投与療法の無効例では手術治療が必要であるが,その時期の決定は難しい.無駄な長期間の治療を省くため鼻茸,CT所見から手術時期を考えた.
アスピリン喘息と慢性副鼻腔炎・鼻茸 荻野  敏
アスピリン喘息は稀な疾患ではない.副鼻腔炎,鼻茸の合併率は極めて高く,難治性である.誘発物質の回避・除去を基本に,手術的治療など多くの治療法を組み合わせ対処していくことが望ましい.
アレルギー性鼻炎と慢性副鼻腔炎・鼻茸 石戸谷淳一ほか
アレルギー性鼻炎を合併する慢性副鼻腔炎の位置づけはいまだに曖昧である.好酸球性副鼻腔炎との相違を述べ,症例を呈示して手術適応について述べる.
好酸球性副鼻腔炎 竹野 幸夫ほか
難治性副鼻腔炎の代名詞となっている好酸球性副鼻腔炎の診断と治療に関して,(1)allergic fungal sinusitisとの関連性,(2)手術療法と術後処置・管理のポイント,(3)併用薬物療法としてのステロイド製剤のEBM,などについて解説.
鼻副鼻腔内反性乳頭腫の診断と治療 及川 敬太ほか
鼻副鼻腔IPの進展範囲は術前MRIで予測可能であり,MRIに基づく術前stagingは本疾患の術式選択,特に内視鏡下手術適応症例を選択するうえで有用である.
上顎癌 松田 洋一ほか
最近の選択的動注化学療法と放射線治療の併用による保存的治療と,従来の手術を中心とした治療とを比較し,保存的治療の実際と治療成績,臓器温存,治療限界について述べる.
良性線維性骨病変(benign fibro-osseous lesions)の取り扱い 鈴木 清護ほか
良性線維性骨病変(benign fibro-osseous lesions)について,その細分類,鑑別診断および個々の治療戦略について示すとともに自験例を提示した.
術後性上顎嚢胞 鈴木 正志ほか
術後性上顎嚢胞の保存的治療と手術について解説する.手術は鼻内法(ESS)が第一選択であり,鼻内開放のポイントを中心に解説する.
副鼻腔嚢胞(原発性,二次性)(前頭洞,篩骨洞,蝶形骨洞) 友田 幸一ほか
副鼻腔嚢胞発生の頻度,原因,治療のための画像診断,手術的治療法の手技と選択などについて解説した.
小児急性副鼻腔炎と眼窩内・頭蓋内合併症 市村 恵一
小児急性副鼻腔炎の診断法と眼窩内・頭蓋内合併症への対応法を解説した.
破壊型副鼻腔真菌症(日和見感染症) 片岡 真吾ほか
破壊型副鼻腔真菌症は,眼窩内や頭蓋内など周囲組織に浸潤することが多く予後不良な疾患であるが,より早期に診断し,手術療法と薬物療法を行えば救命可能な例がある.
歯性上顎洞炎 小川 晃弘ほか
歯性上顎洞炎の頻度は高く,診断と瘻孔形成時の対応が問題となる.歯科との協調を含め,耳鼻科医の対応と手術治療を中心に解説した.
悪性黒色腫,悪性リンパ腫,横紋筋肉腫 太田 伸男
悪性黒色腫,悪性リンパ腫,横紋筋肉腫の治療方法について概説した.
Monthly Book ENTONI. No.89
頸部の腫れをどう扱うか
 
頸部の腫れへのアプローチ 森田 真也ほか
日常診療で遭遇することの多い頸部腫脹あるいは腫瘤に対して,問診・視診・触診を基本として,どういった検査を選択してアプローチするかを解説する.
頸部画像診断 尾尻 博也
頸部の腫れの原因となる腫瘤性病変の画像診断では先天性か否か,リンパ節か否か,炎症性か腫瘍性か,などを区別してアプローチするのが論理的であり,その理解が必要とされる.
頸部超音波診断 古川まどかほか
頸部の腫脹をきたす疾患は多彩であり,漠然と検査をしていても確定診断に結びつかない.効率よい診断を行うために超音波診断は必要不可欠である.
頸部炎症性腫脹の診断と治療 齋藤康一郎ほか
頸部炎症性腫脹,とくに側頸部の腫脹をきたす疾患には,処置に急を要する疾患や,鑑別疾患として念頭においておかないと診断に苦慮する場合がある.これらの疾患につき,症例を呈示しながら解説する.
頸部良性腫瘤の診断と治療 馬場  均
側頸部に発生する良性腫瘤のなかで側頸嚢胞,神経鞘腫,頸動脈小体腫瘍を取り上げ,成因,診断,治療などについて論述した.
頸部悪性腫瘍の診断と治療 大上 研二
悪性の頸部腫瘤として転移性の頸部腫瘤,原発不明癌の取り扱い,悪性リンパ腫などについて,診断と治療の進め方を記載した.
耳下部腫脹の診断と治療 松延  毅ほか
耳下腺の腫脹した患者を診るときには,その所見に応じて代表的疾患を念頭におきながら検査を選択し鑑別をすすめ,的確な治療指針で臨めるように知識を整理しておくことが必要である.
顎下部腫脹(炎症,唾石,良性・悪性腫瘍)の診断と治療
―顎下腺疾患を中心に―
杉本 太郎
顎下部腫脹をきたす疾患には,炎症性疾患,腫瘍性および腫瘍類似疾患,嚢胞性疾患,全身疾患に伴う局所病変などがある.顎下部腫脹の診断と治療について解説する.
前頸部腫脹(炎症,良性・悪性腫瘍)の診断と治療 冨藤 雅之ほか
前頸部腫脹の原因の大半を占める甲状腺疾患に重点をおき,検査法と診断,各種疾患の治療の方針につき解説した.
小児頸部腫瘤の取り扱い 豊田  実ほか
頸部腫瘤のなかで特に小児に多い疾患を中心に病態別・部位別に取り上げ,症例を呈示しながら診断,対策,治療について述べる.
Monthly Book ENTONI. No.88
耳鼻咽喉科疾患と睡眠障害
 
耳鼻咽喉科と睡眠障害 宮崎総一郎
睡眠呼吸障害は睡眠障害を引き起こし,睡眠障害は生活習慣病の発症要因となり,集中力・記憶力・学習能力や感情のコントロール,作業能率などを障害し,事故等の原因となる.
耳鼻科の睡眠時呼吸障害外来で遭遇する睡眠障害 樋上  茂
睡眠時無呼吸症候群には,様々な睡眠障害が合併することがある.本疾患の診断精度と治療効果の向上には,眠気の起因と睡眠障害(過眠症)の鑑別診断を行うことが重要である.
小児睡眠呼吸障害とADHD様症状の関係 千葉伸太郎
小児の閉塞性睡眠時無呼吸では睡眠障害が脳機能に影響を及ぼし,ADHDで見られる不注意,多動などを含め,感情の不安定,学業成績,IQなどの日中の臨床症状が認められる.
睡眠呼吸障害とめまい(起立性調節障害) 北島 尚治ほか
SAS患者の約3割がODを伴う.難知性OD患者には潜在性SASを考える必要がある.
睡眠障害(睡眠薬)と平衡障害 原  浩貴ほか
睡眠障害は脳の知覚統合機能を低下させるため平衡障害の原因となる.BZP系睡眠薬による平衡障害は薬剤の血中濃度と相関し最高血中濃度の時間帯にふらつきも最大となる.
鼻閉と睡眠障害 中田 誠一
鼻閉からくる睡眠時無呼吸のメカニズムから,その無呼吸と鼻腔通気度との関係.さらに鼻呼吸から口呼吸にかわるときの鼻腔通気度について話をする.最後に鼻手術の適応・意義について概説する.
神経内科疾患と睡眠呼吸障害 野中 道夫ほか
神経内科疾患における呼吸不全の多くは,睡眠呼吸障害として出現する.耳鼻咽喉科医が遭遇する可能性のある,筋萎縮性側索硬化症,多系統萎縮症,重症筋無力症,ポリオ後症候群,筋強直性ジストロフィーについて概説した.
うつと睡眠呼吸障害 服部 美穂ほか
うつ病と睡眠時無呼吸症候群はしばしば合併し相互に影響し合うため,いずれの診療においてももう一方の存在を念頭に置くことが重要である.
耳鼻科医が知っておくと良い睡眠障害の知識と睡眠薬の知識 小曽根基裕ほか
睡眠障害の治療において,睡眠に関する正しい知識に基づいた症例ごとの治療目標の設定は,睡眠薬の過剰投与などに伴うリスク回避につながる.
睡眠呼吸障害の理解に役立つ肥満の知識(肥満とレプチン) 佐藤 哲子
肥満者で上昇する脂肪細胞由来のレプチンは,中枢性摂食抑制作用以外に,交感神経活性化,血圧上昇,動脈硬化促進作用を有し,肥満に伴う睡眠時無呼吸症候群の病態形成にも大きく関与する.
Monthly Book ENTONI. No.87
高齢者のめまい診断におけるpitfall
 
めまい診断・手順 青柳  優
めまいの診断は手間がかかるので,あらかじめ手順を決めておくとよい.問診,眼振所見,画像診断が重要であるが,大切なことは「危険なめまい」を看過しないことである.
診療所における高齢者めまいの検査 中村  正
診療所における高齢者めまい診療では,末梢性疾患を適確に診断し危険なめまいを見逃さないことが重要で,そのためには情報量が多く簡便に行える眼振検査が有効である.
高齢めまい患者の取り扱い上の注意点 石川 和夫ほか
高齢者に伴う身体機能の低下の具体的な側面と高齢者に多いめまい疾患への対応,治療上の工夫と注意点.多剤服用の可能性と,めまいの原因となりうる薬剤への配慮.
高齢者めまいの画像診断 石川 牧子ほか
めまいを主訴とする高齢者の患者に多く見られる,代表的な脳血管障害,小脳橋角部腫瘍,その他脳腫瘍および脊髄小脳変性症について,CTおよびMRIの画像所見を述べる.
高齢化社会におけるめまい 宮下 元明ほか
めまい患者における高齢者の割合は増加しており,その対応は重要な課題である.平衡機能の低下している高齢者に対しては,生活指導や平衡訓練が非常に重要であると考える.
加齢と平衡機能 都筑 俊寛
高齢者の平衡機能は低下することが知られている.聴覚における蝸牛の加齢変化は良く知られているが,加齢により末梢前庭機能が低下するかはまだ明らかでない.温度眼振検査の緩徐相速度に低下を認めたことより,末梢前庭器官にも加齢変化が推定された.
加齢と身体動揺 山本 昌彦ほか
姿勢制御を重心動揺でみた場合,年齢と共に距離・面積の増加と共に左右動揺から前後動揺が強くなる.60〜70歳は個人差が大きいが80歳からは急激に姿勢制御が低下する.
加齢と前庭代償 北原  糺
前庭代償は一側末梢前庭障害後に生じる中枢前庭系の左右差を是正する神経回路構築の過程である.加齢によりこの神経回路には脆弱性とそれを代償する変化が生じる.
高齢者のめまい 肥塚  泉
高齢者のめまいの病態は非高齢者の場合よりもより複雑になる可能性がある.今後さらに増えるであろう,高齢者のめまい疾患への対応法について述べた.
高齢者のメニエール病 武田 憲昭
高齢者のメニエール病の発症には,高齢者特有のストレスが誘引になっている可能性がある.
高齢者の良性発作性頭位めまい症 小川 恭生ほか
BPPV症例を若年群と高齢群にわけ比較した.高齢群では若年群に比べ難治例が多かった.めまいが続くとめまいへの不安のため日常生活のQOLを低下させる恐れがある.自然治癒しない症例には積極的に理学療法を勧めるべきである.
高齢者の前庭神経炎 堀井  新
高齢者では前庭神経炎を疑う場合でも中枢疾患を念頭におく必要がある.高齢者の前庭神経炎では,加齢による代償不全および続発する不安障害によりふらつきが遷延しやすい.
高齢者の椎骨脳底動脈循環不全症(VBI)
―その特徴と取り扱い方,臨床における問題点について―
新井 基洋ほか
椎骨脳底動脈循環不全症(VBI)は診断基準が統一されず,色々な捉え方をしているので,概念を整理する目的で,(1) ヒストリーと症状で診断できる典型的VBI症例と,(2) めまい以外は臨床症状が無いため,末梢性めまいの鑑別が必要であるVBI症例,さらに (3) VBIと誤診しやすい症例を提示した.
脳血管障害とめまい 松本 昌泰
超急性期治療を推進すべく,「めまい」などの脳卒中疑い症状についてのキャンペーンが広く行われており,「めまい」を訴える脳卒中の臨床的特徴の認識が欠かせない.
高齢者の慢性ふらつき感について 大江 洋史ほか
原因不明であった高齢者の慢性ふらつき感の発生原因を電気生理学的機序より解明.脳内聴覚系神経経路の障害と側頭頭頂葉の平衡機能中枢の電気的易興奮性(hyperexcitability)が一因である.
糖尿病とニューロパチー 佐竹 千尋ほか
糖尿病神経障害による起立性低血圧は末梢性めまいの原因となる.起立性低血圧や低血糖などによるめまいについて述べる.
高血圧とめまい 木村健二郎
高血圧患者に見られるめまいの原因は多様である.その病態をしっかり把握して対処しなければならない.特に,高血圧にともなう心血管疾患の危険因子は見逃してはならない.
メタボリックシンドロームとめまい 島本 和明ほか
めまいの原因には末梢前庭性と中枢性があるが,メタボリックシンドロームは動脈硬化を介して脳血管障害を増加させ,中枢性めまいのうち脳幹・小脳血管障害,椎骨脳底動脈循環不全によるめまいと関連する.
高齢者の心因性めまい 中山 明峰ほか
高齢めまい患者は症状が慢性化し,難治例になっている場合が多い.再診断,そして抗めまい薬・精神薬の再検討,さらに心理面のケアが必要と考えている.
高齢者の精神障害とめまい 渡部 廣行ほか
高齢者の精神障害の特徴は,症状が非定型的で多彩である.すべての高齢者の精神障害で「めまい」を起こす可能性があり,「めまい」は見逃せない重要な徴候の1つである.
Monthly Book ENTONI. No.86
乳・幼児の耳鼻咽喉科疾患
−外来診療のコツ−
 
耳鼻咽喉科小児医療の問題点と特徴 新井 寧子
耳鼻科外来に占める就学前児の場合は,ばらつきが大きいとはいえ,平均20%もいる.本誌に示された乳・幼児外来診療のコツは,長年の診療行為の中から工夫されたスキルで,明日すぐに役立つであろう.
小児科との連携 木村 康子
小児で耳,鼻の症状があるとき,小児科,耳鼻咽喉科をどのように受診し分けているのか保護者に対してアンケート調査した.医療連携に不具合があったと思われる例を提示し,問題点を述べた.
緊急疾患の初期診断のコツ 余田 敬子
意思疎通の難しい乳・幼児の緊急疾患,特に対応が遅れると致死的となりうる急性喉頭蓋炎,気道・食道異物,咽後膿瘍,扁桃周囲膿瘍では迅速かつ的確な対応が求められる.
治療が難しかった症例
?いびきと睡眠時無呼吸を主訴に受診した幼児,慢性中耳炎の幼児から学ぶ?
工藤 典代
既成概念にとらわれず症状と経過から丁寧に鑑別診断を行う.急激なSASを呈した幼児と慢性中耳炎の幼児の例から,頻度は多くないが悪性腫瘍や異物症について述べた.
多い疾患治療のコツ
急性中耳炎・滲出性中耳炎
野上兼一郎
鼓膜切開・換気チューブ挿入の適応や注意点,集団保育,耐性菌への対応,母親への説明,小児科医との連携等について述べた.
多い疾患治療のコツ
急性咽頭炎・扁桃炎
鈴鹿 有子
乳幼児の急性咽頭炎・扁桃炎の原因は成人とは違ってウイルス性であることが多い.経過の早い乳幼児にとっては迅速な診断とその対応がより重要である.最近の迅速診断キットを説明しながら,治療の選択を解説した.
多い疾患治療のコツ
異 物
平林 秀樹
お母さんたちは,異物症の危険性は認識している.子どもがピーナッツや石をくわえると,慌てて叫んで,驚いた子どもはこれを吸引する.異物症を啓蒙するだけでなく,その後の冷静な対応が必要.
長引く疾患治療のコツ
小児副鼻腔炎
駒崎 陽子
小児の鼻副鼻腔炎の症状を緩和するために効果的なProetz置換法,それに準じる鼻洗浄法を紹介する.小児と保護者が笑顔で通院できる工夫も提示した.
長引く疾患治療のコツ
アレルギー
野原  修
小児のアレルギー性鼻炎に対する抗原特異的減感作療法(免疫療法)の手技,副症状への対策,問題点などについて述べた.
長引く疾患治療のコツ
乳幼児のいびきと睡眠時無呼吸症候群(SAS)
新谷 朋子ほか
乳幼児期のいびき,SASの原因は鼻閉やアデノイド・扁桃肥大であり,長期の上気道狭窄によって顔面形態,全身の発育,多動や学習障害との関連が指摘されている.
長引く疾患治療のコツ
漢方治療
山本 千賀
長期化する症例,再発する症例には常に頭を悩まされる.漢方治療には,それらを解決する糸口が存在している.日常診療に漢方治療を取り入れ,効果をあげた症例を提示した.
Monthly Book ENTONI. No.85
悪性疾患をうたがう顔面および頸部所見
 
顔面神経麻痺 上田 祥久
顔面神経走行を解剖学的に解説し,代表的な末梢性顔面神経麻痺の原因を列挙した.そのうち悪性疾患が原因で顔面神経麻痺をきたした症例について画像を用いて概説した.
脳神経麻痺 朝蔭 孝宏
耳鼻咽喉科医にとって脳神経の走行の理解は必須であり,特に海綿静脈洞の解剖,三叉神経の走行,頸静脈孔を通過する神経の走行の理解が重要である.
顔面・頬部の腫脹 今手 祐二
顔面・頬部の腫脹をきたす悪性腫瘍の評価では骨破壊の評価にはCTが,また腫瘍の性状や進展範囲の詳細な評価にはMRIが有用である.
顎下部の腫脹 藤本 保志
顎下部の腫脹をきたす疾患のなかで顎下腺癌,口腔癌の顎下リンパ節転移,悪性リンパ腫などの診断・治療の流れを実際の症例を呈示しつつ述べた.
前頸部腫脹 家根 旦有
前頸部腫脹の代表的な悪性疾患である甲状腺癌の効率的な診断方法(エコー,穿刺吸引細胞診など),喉頭癌などの前頸部進展例の検査方法について述べる.
上深頸部腫脹 吉崎 智一
上深頸部は下顎骨の存在により死角になりやすい.最も注意すべき疾患は上咽頭癌であるが,耳下腺癌や聴器癌も念頭に置くべきである.上咽頭癌はしばしば両側性転移をきたす.
中・下深頸部腫脹 藤井  隆ほか
中・下頸部腫脹が悪性腫瘍のリンパ節転移である場合には進行癌であり,診断確定は急を要するため,頭頸部癌・悪性リンパ腫を念頭に置いた頸部所見と鑑別診断について述べた.
鎖骨上窩腫脹 冨田 俊樹
鎖骨上(窩)リンパ節の腫脹は遠隔臓器に生じた癌の転移が多い.その多くは予後もきわめて不良であり,他の頸部リンパ節腫脹とはおのずと異なった対応が必要となる.
多発性のリンパ節腫脹 荻野  武
多発性頸部リンパ節腫脹において悪性疾患を見逃さないためには,各疾患の触診や検査所見の特徴を念頭に置いて診察することが重要である.
頸部皮膚の発赤・腫脹・分泌物 三谷 浩樹
頸部皮膚の発赤・腫脹・分泌物を有する悪性疾患は転移性リンパ節腫脹,原発癌皮膚浸潤や癌の皮膚転移が代表的であり様々な臨床例を示す.
Monthly Book ENTONI. No.84
耳鼻咽喉科に必要な補聴器の知識update
 
補聴器外来を行うための準備
―検査・周辺設備・補聴器業者の選択―
西村 忠己
社会状況の変化に伴い補聴器診療の耳鼻咽喉科医の役割が重要になってきている.補聴器外来を行うために必要な検査・周辺設備と補聴器業者の選択について解説した.
補聴器の適応 武田 英彦
耳鼻科医としての補聴器診療において,適応を判断する上で,診察で注意すべき点,器種を選択するときの注意,現在注目されている補聴器についても紹介し,耳鼻科医の適応判断の重要性を解説した.
補聴器の装用効果を認めるが装用しない症例とその対応 寺崎 雅子
高齢化社会とともに聴覚障害者も多くなっている.本人や家族の理解も大切であるが,いかに装用意欲を引き出せるかが大きな要因と思われる.
補聴器と法律
―障害者自立支援法と補装具(費)支給制度の変更点―
三邉 武幸
身障法による聴覚障害者(児)に対する補装具給付制度は,障害者自立支援法に基づく補装具費支給制度(2006年10月から)に移行した.これにより補聴器の交付制度も,変更になった.
補聴器外来での問診,チェック項目 硲田 猛真ほか
補聴器の選択についてのチェック項目について述べた.補聴器の全般効果についての質問紙「きこえについての質問紙2002」を紹介した.
補聴器使用中のトラブルと対応 深美  悟
補聴器使用中のトラブルには,電池異物,印象剤耳内異物,鼓膜穿孔,外耳・中耳炎の悪化,急性感音難聴が挙げられる.トラブルが起こった場合,早急な対処を行う必要がある.
補聴器装用に関しての患者教育・リハビリテーション 杉内 智子
補聴器の患者教育とはカウンセリングと装用指導の積み重ねであり,聴覚リハビリテーションとしてはより積極的なプログラムやコミュニケーション指導の充実が期待されている.
補聴器のフィッティングと限界
―患者の訴えに対する対応と調節―
大氣 誠道
補聴器をフィッティングする際のチェック票を作成し,トラブルシューティング形式の対処法をまとめた.補聴器の限界は,調整する側に問題がある場合が多いと思われた.
幼小児へのフィッティング 大上麻由里ほか
小児,特に乳幼児に対する聴力評価方法と補聴器フィッティング方法,ハビリテーションについて最近の文献により考察した.