Monthly Book Derma. No.121
皮膚良性腫瘍鑑別診断マニュアル
 
皮膚良性腫瘍および母斑の分類 吉川 義顕ほか
皮膚良性腫瘍と母斑の分類や診断に熟達するためには,正常皮膚の解剖の知識に加え,皮膚の組織発生や形態形成にも精通しておく必要がある.
病理組織からみた皮膚良性腫瘍の鑑別 信藤  肇
皮膚良性腫瘍を診断するには病理組織所見が必須である.組織学的な良悪性の鑑別,上皮あるいは非上皮性の判別,分化の判定につき総論的に解説した.
上皮性非付属器系皮膚良性腫瘍の鑑別診断 堀口 裕治
脂漏性角化症は毛包と何らかの発生母地的な関係がある.陰嚢石灰沈着症はアテロームの二次的変化である.表皮嚢腫は容易にくり抜き術が行える.
皮膚付属器系良性腫瘍の鑑別診断 三砂 範幸
日常診療でよくみる,または病理組織学的鑑別診断が問題となる皮膚付属器系良性腫瘍を中心にその臨床病理像の要点を解説した.
間葉組織系腫瘍・母斑の鑑別診断 山元  修ほか
皮膚の間葉組織系腫瘍の臨床診断はしばしば困難であるが,免疫組織化学を含む病理組織学的所見が診断の決め手になることが多く,その所見を知っておくことは重要である.
神経堤(neural crest)起源細胞系腫瘍・母斑の鑑別診断 高橋 和宏ほか
神経堤細胞由来皮膚良性腫瘍の主要な疾患について臨床像・病理組織を解説した.また,治療法について述べた.
有痛性皮膚腫瘍 坂本ふみ子
代表的な有痛性皮膚良性腫瘍について,その疼痛の特徴と臨床的特徴を整理し,臨床上の鑑別点について記載した.また組織像のポイントについても述べた.
皮膚良性腫瘍の診断に役立つ免疫組織化学的検査 大西 誉光ほか
皮膚腫瘍の発生母地を免疫組織化学的に検索することは補助診断に有用である.皮膚科で用いられる主なマーカーについて概説した.
ダーモスコピーによる色素性腫瘍の鑑別診断 田中  勝ほか
ダーモスコピーによる良性色素性皮膚腫瘍の鑑別点は,色素ネットワークや線条,色素小点・色素小球などの構造分布の規則性である.
皮下腫瘍の鑑別診断 大畑 恵之
皮下腫瘤をみた場合の鑑別ポイントに関してまとめた.代表的な疾患は画像診断における特徴的所見について述べるとともに,皮膚科に関連の深い,エコー・MRI の原理を簡単にまとめた.
Monthly Book Derma. No.120
肥満細胞と皮膚疾患
 
肥満細胞とI型アレルギー 羅  智靖
アレルギー疾患は臓器特異的な面が強く,末梢組織に定着している肥満細胞が炎症のコンダクターとして重要な働きをしており,その分子的な活性化機構の理解が必要である.
マスト細胞のIgEシグナル伝達 西本  創ほか
IgE受容体を介したマスト細胞の活性化にはIgE受容体以外のco-stimulatory受容体(4-1BBなど)が関与している.
ヒト肥満細胞の分子生物学 斎藤 博久
キマーゼ遺伝子を含む数百の遺伝子は皮膚や扁桃の肥満細胞で強く発現し,肺ではほとんど発現していない.この性質は長期間培養しても不変で肥満細胞亜型と考えられる.
肥満細胞と自然免疫 松江 弘之ほか
従来,肥満細胞はアレルギー反応のエフェクター細胞として重要視されてきたが,最近,感染防御における自然免疫および獲得免疫に関与していることがわかってきた.
肥満細胞とかゆみ 水川 良子
かゆみには,生体にとって有利な役割もあることを明らかにした.
肥満細胞とアナフィラキシー 岡山 吉道
アナフィラキシーの発生機序にはIgE依存性および非依存性の機序が存在する.IgE非依存性機序においてはIgG受容体を発現している肥満細胞と肥満細胞以外の細胞が重要な役割を果たしている.
蕁麻疹 森田 栄伸
蕁麻疹には,炎症の機序からヒスタミンが主要なメディエーターである場合,プロスタグランジンやロイコトリエンが関与する場合,サイトカインがかかわる場合が考えられる.
アトピー性皮膚炎 神戸 直智
いまだ発症原因が明らかにされていないアトピー性皮膚炎であるが,本症が慢性化・難治化する要因の1つとして,肥満細胞の役割が示唆される.
接触皮膚炎 乾  重樹ほか
接触皮膚炎の発症メカニズムにおける肥満細胞の役割については肥満細胞欠損マウスを主に用いて検索されてきた.その知見を中心にまとめた.
尋常性乾癬 吹譯 紀子ほか
尋常性乾癬の皮膚組織中に肥満細胞が増加していることは古くから知られていた.近年,肥満細胞が産生,放出する多彩なメディエーターを介して病態形成に関与していることが解明されつつある.
ケロイド・肥厚性瘢痕 宮下  哲
ケロイドと正常皮膚ではマスト細胞の分布密度に差がみられなかったが免疫組織学的所見,電子顕微鏡下所見に違いがみられた.
神経線維腫症 谷戸 克巳ほか
NF1の神経線維腫内には多数の肥満細胞が存在していることが以前より指摘され、腫瘍形成にNF1遺伝子変異とともに重要な役割を果たしていると考えられていたが、その分子メカニズムが明らかにされた.
肥満細胞症 出光 俊郎ほか
本症は肥満細胞の増加をきたす疾患であるが,病態に関して,少なくとも2つのタイプが存在すると想定されている.1つはc-KIT遺伝子の変異であり,他方はSCFの過剰産生である.
Monthly Book Derma. No.119
女性に特有の皮膚疾患診療マニュアル
 
網状皮斑,大理石様皮膚 妹尾 明美
皮膚の末梢循環障害に基づく紫紅色網目状あるいは樹枝状の皮疹(リベド)は若い女子にみられ,3つのタイプによる分類を解説した.
月経疹,ピルによる皮膚病変 南光 弘子
Autoimmune progesterone dermatitisやEstrogen dermatitisが提唱された現時点での“月経疹”の概念・位置付けを述べ,“ピルによる皮膚病変”については薬理作用によるものと免疫学的作用によるものとに大別し,多様な過去報告例の整理を試みた.
トキシックショック症候群 永井 弥生ほか
月経に関連したmenstrual TSSは減少したが,nonmenstrual TSSにおいても産褥期の感染は誘因として重要である.
サンスクリーン剤による皮膚のトラブル 錦織千佳子
紫外線カット商品ならびにサンスクリーン剤の使用量の増加に伴い皮膚のトラブルも増えており,リスクとベネフィットを把握して使用することが肝要である.
消費者被害型皮膚障害 上田 説子
「きれいになりたい」「若い肌を保ちたい」という万人の夢を実現するためには,EBMに基づいた美容関連商品と美容法の開発が必要である.
肝斑 山村 有美ほか
肝斑の治療において,トラネキサム酸の内服などを併用しながら,皮膚を慢性刺激から守るための徹底したスキンケア指導を施行することは非常に効果的である.
女性の男性型脱毛症 植木 理恵
女性の男性型脱毛症とその他のびまん性脱毛症の違いを述べ,女性のびまん性脱毛症をfemale pattern hair loss(FPHL)と考えて治療することについて解説する.
更年期角化腫 山本 明美
更年期角化腫では更年期以後の女性の掌蹠,特に足底の圧迫を受けやすい部位に角化性局面を生じる.
性器ヘルペス(初感染) 本田まりこ
性器ヘルペスは,単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)の感染1型または2型の感染により性器に浅い潰瘍性または水疱性病変を形成する疾患である.初感染および潜伏ウイルスの再発で生じる.
妊娠による皮膚病変 牧之段恵里ほか
妊娠による皮膚変化は高頻度にみられ,症状はさまざまであるが,その中でも妊娠時にしかみられない特異的皮膚疾患である妊娠性疱疹,疱疹状膿痂疹および妊娠性痒疹について,概説する.
Monthly Book Derma. No.118
日常診療における美容皮膚科・美容皮膚外科のコツ
−私はこうしている−
 
光老化に対する対策 慶田 朋子
サンスクリーン剤の適切な使用で光老化は遅らせることができる.また,衣類や日傘による物理的な遮光,紫外線の防御を意識したライフスタイルの確立も重要である.
シミの種類と診断 鳥居 秀嗣
肝斑は,紫外線の影響やレーザーに対する反応性で,後天性対称性真皮メラノサイトーシスと鑑別される.老人性色素斑では,悪性黒子との鑑別が重要である.
日常診療におけるシミの治療法とその選択 阿部 圭子
美容皮膚科において診療頻度の高いシミの種類とその治療方法を概説し,当院における疾患別治療方針について解説した.
しわとたるみの治療戦略 山下 理絵
近年,しわ,たるみ治療の選択肢が増えた.顔面しわ,たるみの部位別に,レーザー,フィラー,ボツリヌス菌毒素,手術などの治療方法について解説した.
下眼瞼のたるみに対する治療戦略―手術療法を中心に― 林  和弘ほか
下眼瞼のたるみのできるメカニズムを解剖学的に解説し,その治療戦略として手術療法を中心に解説を行った.たるみの程度によって選択し得る代表的な術式を紹介した.
ニキビの治療戦略 赤松 浩彦
ニキビ(尋常性座瘡)治療に際しては,ニキビの病態と病態に応じた治療法をよく理解し,治癒後に瘢痕を残さないようにコントロールすることが大切である.
ニキビ患者への化粧アドバイス
―スキンケア〜メイクアップまで―
柳沢みどり
化粧はニキビ治療における治療補助や発症予防に役立ち,患者のQOL向上にも有効な手段である.治療に取り入れて行える化粧指導を,具体的に紹介する.
女性の脱毛症の治療戦略 植木 理恵
女性の脱毛症の診療に当たり,特にびまん性脱毛症の訴えの際に注意すべき鑑別疾患を解説し,診断と治療の現状を解説する.
男性の脱毛症の治療戦略 五十嵐敦之
男性型脱毛症のメカニズム,II型5α−還元酵素阻害薬であるフィナステリドの有効性,副作用などについて概説するとともに,外用育毛剤についても簡単に触れた.
顔面の小腫瘍の診断 川端 康浩
美容皮膚科として顔面の小腫瘍の取り扱いを考えると,病理組織検査を行わないことが多いため臨床診断にかかる比重が大きい.臨床診断を十分検討したうえで治療法を考える必要がある.
顔面の小腫瘍の治療戦略 水嶋 淳一
顔面の小腫瘍の治療については,その診断がまず大切になる.日常よく遭遇する色素性母斑を中心に治療法について述べる.
血管病変(苺状血管腫,単純性血管腫,毛細血管拡張症)の診断と
治療戦略
河野 太郎ほか
莓状血管腫と単純性血管腫,毛細血管拡張症は皮膚血管病変であるが,疾患により治療時期や治療方針が異なる.症例によっては保存的治療,レーザー治療,手術療法を組み合わせた総合的アプローチが必要となる.
腋臭症の診断と治療戦略 稲葉 義方
腋臭症の治療においては診断をしっかり行ったうえで治療方針を決定する必要があり,特に手術療法を行う際には術後合併症にも留意しつつ確実な治療を行いたい.
下肢静脈瘤の診断と治療 八巻  隆ほか
下肢静脈瘤に対する無侵襲な診断法と,それに基づく治療法を中心に記述する.
酒査皮の治療戦略 林  伸和
酒査皮の治療は,まだまだ十分とはいえない.海外での治療とともに我々の1,064nm Nd:YAGレーザーを用いた治療の試みを紹介する.
陥入爪の診断と治療戦略 上田  周ほか
陥入爪によって生じる疼痛の治療と,再発予防のための爪矯正について保存的治療法を中心に解説した.
ルビーレーザー/アレキサンドライトレーザー 門野 岳史ほか
ルビーレーザー/アレキサンドライトレーザーを用いた表皮から真皮にかけての種々の色素病変に対する治療について述べた.
色素レーザー(Vビームを中心に) 河野 太郎ほか
Vビーム・レーザーは皮膚冷却装置付き可変式長パスル幅色素レーザーであり合併症を抑えつつ幅広い血管病変に対し有効である.照射法の工夫により若返り治療も有用である.
炭酸ガスレーザー 橋本  透
良性皮膚小腫瘍の美容皮膚科的治療において,炭酸ガスレーザーは簡便に行える治療法で,仕上がりもきれいで患者の満足度も高い.
ヒアルロン酸 高見  洋
Fillerとして用いられるヒアルロン酸は,down timeが短く副反応も少ないため,しわの治療のほかにも外科的な施術に代わる方法として使用できる可能性がある.
ボツリヌス毒素 村上 義之
美容皮膚科領域(表情ジワ,咬筋肥大,多汗症)での筆者が行っているボツリヌス毒素の使用方法について述べた.
フラクセルレーザーによるskin rejuvenation 河野 太郎ほか
Fractional photothermolysisの概念を用いたフラクセルレーザーは従来のablative skin resurfacingに比べ色素異常などの合併症が少なく,高い治療効果が得られる治療法である.
ケーブルスーチャー法 鈴木 芳郎ほか
眼の下の窪みのラインは老化の最初のサインである.これを少ない侵襲で取る方法がケーブルスーチャー法である.その方法の原理と実際について述べた.
ケミカルピーリング 上田 説子
ケミカルピーリングは化学薬品により皮膚に組織損傷を生じ,その修復機転により皮膚の再構築を促す治療法であり,一般的には薬剤の深達度と疾患の病理組織像を理解すれば効果も副作用も理解できる.
レチノイン酸 佐藤克二郎ほか
レチノイン酸の外用は単独では尋常性座瘡に,ハドロキノンとの併用により表皮内色素沈着が短期間に改善する.効果を上げるためには定期的な外来通院が必要である.
PDT 伊藤 嘉恭
慢性,重症化した座瘡を完治させるためには,座瘡発生の抑制に加えて,赤色座瘡痕を正常な毛包皮脂腺に回帰させることにある.
レーザー脱毛 乃木田俊辰
レーザー脱毛の基礎と実際について概説.安全で,満足度の高い方法である.
植毛術 乃木田俊辰
後頭部の毛包を用いて,前頭部,頭頂部などの男性型脱毛症の部位に植毛する単一植毛術について概説した.
シワ・シミの計測 岡野 由利
化粧品の使用後,あるいは美容皮膚科施術の前後のシワ・シミの改善作用を客観的かつ科学的に計測する方法について具体例を挙げて記載した.
Monthly Book Derma. No.117
日常診療におけるほくろ取扱い指針
 
ほくろとは何か 斎田 俊明
ほくろと母斑の概念を整理し,その多彩な病型について記載したうえで,病因論を考察し,組織発生に関する統一概念を提案した.
日本人のほくろに関する疫学的調査 小口 真司ほか
600人のコントロール群と82人のメラノーマ患者群を調査対象として,日本人における後天性色素細胞母斑の個数,大きさ,発生部位について比較検討した.
ほくろの細胞生物学,分子生物学 高田  実ほか
色素細胞母斑はメラノサイトの良性腫瘍であり,癌遺伝子誘発性細胞老化(oncogene-induced senescence)の生体内モデルである.
ほくろとメラノーマの関係,取扱い指針 三原 一郎ほか
Clark母斑を含め後天性色素細胞母斑(ほくろ)が,メラノーマへ直接進展するは極めて稀である.重要なのは,メラノーマの初期病変をほくろと誤診しないことである.
ほくろのダーモスコピー診断と取扱い指針 田中  勝ほか
ほくろのダーモスコピー診断は,色素ネットワークや色素小点・色素小球などの構造分布や色調分布と形状が規則的であることを基準とするが,3か月おきの定期的な経過観察において変化がほとんどみられないことも重要な指標となる.
足底のほくろの取扱い指針 河内 繁雄
足底に生じるほくろとメラノーマ早期病変の特徴・鑑別点について記載し,病変の最大径が7mmをスクリーニングポイントとする7mmクライテリアとdermoscopy所見を組み合せた足底のほくろの取扱い指針について解説した.
Spitz母斑の組織診断と鑑別 清原 隆宏
Spitz母斑を悪性黒色腫と鑑別するためには,弱拡大での左右対称性の組織構築を認識することが重要である.今後は分子診断の知見を生かした診断基準を確立する必要がある.
先天性色素細胞母斑(小型,中型)の取扱い指針 大原 國章
このサイズの母斑では治療法に工夫が必要で,いろいろな選択肢を症例に応じて使い分けることが大切.
ほくろの治療指針 1)外科療法の実際 田村 敦志
ほくろの外科療法として,外科的切除,電気外科療法,凍結療法をとりあげ,それぞれの適応と特徴について解説した.
ほくろの治療指針 2)レーザー療法の実際 橋本  透
ほくろのレーザー療法において重要なことは,確実にメラノーマ,基底細胞上皮腫を鑑別することである.
ほくろの治療指針 3)電気メス療法の実際 乃木田俊辰
電気メス(サージトロン)を用いた,ほくろ除去術について概説した.本法は手技が簡単で,術後の外観もよい.
Monthly Book Derma. No.115
実践レーザー治療マニュアル
 
レーザー治療のメカニズム 渡辺 晋一
レーザーの照射時間が短ければ短いほど瘢痕をきたす可能性が低くなる.レーザー治療の原理を理解し,皮膚病変を正しく診断できれば,治療の適否,予後を正確に判定できる.
色素性病変にはどんなレーザーが良いですか?
(1)保険適応疾患
遠藤 英樹ほか
QスイッチルビーレーザーとQスイッチアレキサンドライト(Q-ALEX)レーザーは,メラニン含有細胞を破壊できるため,色素性病変に有効である.保険適応である色素性病変疾患においては,良い治療成績である.
色素性病変にはどんなレーザーが良いですか?
(2)保険適応外疾患
谷田 泰男
保険適応外の刺青,老人性色素沈着のレーザー治療について,どのようなレーザー機器を選択して,どのように治療を行うかについて記載した.
血管病変にはどんなレーザーが良いですか? 河野 太郎ほか
従来型色素レーザーとVビームレーザーは共に単純性血管腫といちご状血管腫に有効であるが,Vビームレーザーは従来型色素レーザーと比較して治療の有効性に優れ,合併症が少ない.
乾癬に対してレーザー治療は有効ですか? 上尾 礼子ほか
乾癬に対する新しい治療法である585nmパルスダイレーザーと308nmエキシマレーザーについて,その照射方法と効果について述べた.
炭酸ガスレーザーの上手な使い方は? 尾見 徳弥
炭酸ガスレーザーは,母斑細胞母斑や脂漏性角化症など適応が広く,皮膚科における第一選択のレーザーといえる.今回,診療における適応,具体的な手技について概説した.
無麻酔の炭酸ガスレーザーとは? 栗本 貴弘ほか
最近開発された,無麻酔の炭酸ガスレーザーの使用経験を報告した.局所麻酔剤を使用できない症例(アレルギーなどのため)には有用と思われた.
脱毛レーザーの上手な使い方は? 乃木田俊辰
レーザー脱毛の実際について概説.GentleLASEを用いた色素沈着,開大毛孔の治療法を紹介.
ダイオードレーザーって何ですか? 天津 朗典
ダイオードレーザーは1台で多様な美容皮膚科領域の症例に有効である.またダイオードレーザーの発光源であるLEDは表皮や真皮へのダメージや疼痛がないnon-laserの光源である.
レーザーの新しい使い方は?
(1)レーザーによるrejuvenation(若返り)治療
小野 一郎
レーザーによる顔面のrejuvenationは皮膚の皺や色素斑を取り除くことに加え,顔面の輪郭を改善することを目指すことも重要である.また,治療前後に補完療法と完全な遮光治療が必須である.
レーザーの新しい使い方は?
(2)脱毛レーザーによる腋臭症治療
小野 一郎
脱毛レーザーを腋臭症に対する外科的治療の術後に併用する方法は優れた支持的治療であるだけでなく中等度の腋臭症の第一選択としても考慮して良い,安全で効果的な患者の満足度も高い優れた手法である.
レーザー以外の最近の光治療は? 須賀  康
インテンスパルストライトは,フラッシュランプを光源とするブロードバンドな光を照射する治療器械であり,メラニン沈着性病変をはじめ,幅広い皮膚病変の改善が可能である.
Monthly Book Derma. No.109
脱毛症のすべて
 
毛器官の発生と再生 秋山 真志
毛包の発生と再生について,ヒト胎生期の毛包の形態形成と,毛包の発生と再生におけるバルジ幹細胞の果たす役割を中心に,最新の知見を織り交ぜて概説した.
先天性脱毛症 下村  裕
先天性脱毛症のうち,近年原因遺伝子が同定されトピックになっている疾患を中心に解説した.
男性型脱毛の病態と治療 乾  重樹
男性型脱毛の病態,特にその分子的なメカニズムについて筆者らの知見を中心に述べ,さらに近年開発が進む治療薬についてもその病態メカニズムと関連付けて解説する.
女性のびまん性脱毛症 植木 理恵
女性のびまん性脱毛症は確立された疾患ではないので,患者の訴えを傾聴し,多様な原因を理解して診察を進めることが重要である.
円形脱毛症の臨床と病態 伊藤 泰介
円形脱毛症の病態はいまだ不明な点が多いが,より理解を深めることが適切な治療の選択に結びつく.現在までにわかっていることで,臨床現場に役立つ知見を解説する.
円形脱毛症の治療 佐々木りか子
円形脱毛症の治療には,確かな臨床データがほとんどないのが現状であるが,過去に報告されている論文を検討した.
円形脱毛症の新しい病型 川村 真樹ほか
急激にびまん性に全頭脱毛をきたすが予後のよい一群が,Acute diffuse and total alopecia of the female scalp として分類された.
ストレスと脱毛 豊田 雅彦
円形脱毛症のストレス病因説の科学的エビデンスを求めて,ストレスに関連する種々の皮膚および血中神経系・免疫系因子の異常の観点から検討した.
薬剤性脱毛症 大浦  一ほか
皮膚科医はあらゆる薬剤が脱毛の原因となり得ることに留意し,注意深く脱毛患者の観察にあたるべきである.
全身性疾患と脱毛 坪井 廣美
脱毛は先天性脱毛症と後天性脱毛症に分類される.先天性脱毛症は奇形を伴う場合が多く,後天性脱毛症では円形脱毛症,男性型脱毛症などの全身疾患との関与が少ない脱毛症と,急性熱性疾患後脱毛,内分泌代謝異常,妊娠,栄養・代謝障害,膠原病などの全身疾患に伴う脱毛症がある.脱毛の種類には皮膚病変を伴う脱毛と伴わない脱毛に分類される.それぞれ脱毛の機序によって休止期脱毛と成長期脱毛に分けられ,形態的にはびまん性と限局するものがある.