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整形外科有痛性疾患保存療法のコツ・上巻

整形外科有痛性疾患保存療法のコツ・上巻

整形外科有痛性疾患保存療法のコツ・上巻

室田景久・矢部 裕/編

4-88117-016-3 C3047

2002年2月

0004

定価7,200円(税込み)

目次

I.総論
整形外科的有痛性疾患―年代別代表的疾患とその治療方針― 渡辺 好博
高齢化社会では,脊椎と四肢関節の変形症による疼痛を訴える患者が多い.その発生を予防し,個々の疼痛対策が重要である.一方,成長期のスポーツ障害患者が増加しており,その発生防止と対処が社会問題となっている.
疼痛のメカニズムと制御 熊澤 孝朗
慢性痛は,持続的な痛み入力によって神経回路に生じた可塑的な歪みであり,傷害組織からの警告信号としての役割はなく,急性痛の鎮痛法は有効ではない.
消炎・鎮痛剤などの薬理作用 菅原 幸子
石上 宮子
非ステロイド抗炎症剤,副腎皮質ホルモン,筋弛緩剤,マイナトランキライザーなどの薬理作用,作用機序を述べた.各薬剤の特徴を把握して薬剤選択,投与方法の決定が必要である.
整形外科的有痛性疾患と漢方 村田 高明
外因である風,寒,湿で病状が増悪する整形外科疾患に,漢方治療がより有効である.また,老人や鎮痛剤などの有害反応で服用できない場合にも適切な漢方薬がある.漢方治療が有用な疾患や症状には,慢性関節リウマチ,腰痛・坐骨神経痛,変形性膝関節症などの他,肩こり,五十肩,頚肩腕症候群,鞭打ち損傷,こむら返り,筋肉痛,腱鞘炎などにも応用されている.
運動療法と物理療法 森 雄二郎
福井  勉
主に整形外科外来診療においては,不可欠と考えられる理学療法(物理療法)の中から,いまなお多用されている項目について,その実際を簡便に解説した.
II.疾患別保存療法のコツ
慢性関節リウマチ―薬物療法を中心に― 小出  純
(1) NSAIDはプロドラッグやロングアクティングなものを使い分ける.
(2) 必ずDMARDを早期から併用する.
(3) DMARDの追加併用療法も試みるべきである.
慢性関節リウマチ―日常生活の指導とリハビリテーション― 内田 詔爾
まず障害度とその内容を具体的に掌握する.その患者の病状と背景因子を考え治療計画を作成し進める.そのコツを述べる.
変形性関節症 岡本 連三
減量,筋力訓練,可動域訓練,日常生活指導を基本に,薬物,温熱,装具療法の適時組み合わせがコツである.
痛風,偽痛風 桃原 茂樹
井上 和彦
痛風は,高尿酸血症が基礎にある代謝性疾患で,食事,運動療法に加えて,薬物療法が主体となる.偽痛風は,結晶誘発性関節炎で高齢者に発症することが多く,安静や経口または関節内注射などの薬物療法が基本となる疾患である.
神経痛様疼痛と疼痛を伴う異常感覚 大西 晃生
対症療法として正しい診断・病態の理解に基づいた原因療法を組み合わせ,疼痛の性質・病期に応じた薬剤を選択し,その臨床効果をみながら薬剤をさらに取捨選択して原疾患を治癒または良好なコントロール状態に導く.
上肢の絞扼性神経障害における保存療法 仲尾 保志
堀内 行雄
絞扼性神経障害の保存療法は,成因や病期を正確に判断した上で行うことが重要で,特に内因性のものや病期が早期のものには有効である.
反射性交感神経性ジストロフィー(RSD) 宗重  博
戸田 克広
RSDの急性期の基本症状は疼痛,腫脹,発赤,局所発熱であるが外傷後の一般的な症状と類似しているため注意深い観察が必要である.
III.局所別保存療法のコツ
<有痛性頚部疾患>
頚椎症 清水 敬親
患者の愁訴の原因を追求する姿勢こそ,最も重要な治療の第一歩である.「脊髄症」,「神経根症」,「両者に当てはまらない疼痛性愁訴」の3つに分けて考えると整理しやすい.
頚部椎間板ヘルニアの保存的治療 田中 靖久
国分 正一
頚部椎間板ヘルニアによる激痛の神経根症例には,保存的治療後に辿る一般的な経過ならびに成績を説明することが,実際の治療とならんで重要である.
頚椎後縦靱帯骨化症 松永 俊二
頚椎後縦靱帯骨化症患者の保存治療は,本症の自然経過を踏まえ,保存治療の意義と限界を熟知して行うべきである.
外傷性頚部症候群 植山 和正
岡田 晶博
軟部損傷を確認するためには急性期のMRI,T2強調画像の水平断像を読影する必要がある.
頚肩腕症候群 鷲見 正敏
頚肩腕症候群の治療では,その原因病態に可能な限り近づくことが重要で,ブロックや理学療法などを漫然と施行しないように心がけるべきである.
慢性関節リウマチによる頚椎病変 戸山 芳昭
千葉 一裕
RA頚椎病変に対する保存療法(装具)の目的は,局所痛の緩和と脊椎不安定性による麻痺発生を予防することにあるが,適切な手術適応とその至適時期を逸しないことも重要である.
<有痛性肩部疾患>
胸郭出口症候群 山鹿眞紀夫
高木 克公
胸郭出口症候群は,圧迫型と牽引型に大別される.大部分を占める牽引型では除圧手術の適応はなく,腕神経叢の牽引刺激状態を改善させる保存療法で良好な結果が得られる.
肩凝り 金谷 整亮
橋本  淳
治療の原則は,痛みの悪循環の遮断である.正しい姿勢,十分な睡眠,適度な運動,感染の予防は最低限指導されるべきである.また,圧痛点や硬結部への局所注射は有効である.
肩関節周囲炎(五十肩) 玉井 和哉
本症は病期により治療のポイントが異なる.痙縮期には除痛を目標に,保温,肢位の管理,投薬,関節注射を,拘縮期には可動域拡大を目標に,主としてストレッチ運動を行う.
肩峰下インピンジメント症候群 中川 照彦
急性期には疼痛を伴うような動作は避け,挙上に際し外転運動は行わないように指導する.肩峰下滑液包内への注射,ストレッチング,腱板筋力強化訓練が効果的である.
腱板断裂 黒田 重史
腱板断裂の保存療法の成績は意外と良好である.drop arm signは水平位だけでなく最大挙上位で保持可能かを確認する.高齢者ではヒアルロン酸関節内投与が有用である.
肩関節多方向不安定症 熊谷  純
肩関節多方向不安定症に対する保存的治療の目的は,回旋筋群や肩甲骨周囲筋などの運動療法と装具療法により肩甲骨を安定化させることである.
上腕二頭筋長頭腱炎,断裂 柴田 陽三
上腕二頭筋長頭腱炎の診断は容易でなく,インピンジメント症候群と誤診されやすい.注意深い圧痛点の検索,長頭腱病変の疼痛誘発テスト,局麻剤テストが診断に有用である.
石灰沈着性腱板炎 金古 琢哉
高岸 憲二
石灰沈着性腱板炎の治療に重要なことは,その病態を十分理解し病期に応じた治療法を選択することである.
肩甲上神経絞扼性障害 濱  弘道
スポーツ選手や肩挙上位での作業者で肩痛を訴える場合は棘下筋試験を行い,(疑)陽性なら筋電図検査を行う傍ら,まず運動・作業上の指導と筋力増強訓練を行わせる.
野球肩―スポーツ復帰を目的とした治療のコツ― 筒井 廣明
山口 光國
野球肩は各種病態を総称したもので,病態により治療方法が異なるのみならず,その病態発生のメカニズムも様々で,治療に際しては運動連鎖を考慮したアプローチが大切である.
<有痛性肘部疾患>
肘関節スポーツ障害 伊藤 恵康
宇沢 充圭
久保井二郎
豊島 宏二
鵜飼 康二
辻野昭人
広本明敏
野球肘に対する保存的治療の要点はその限界を知ることである.
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療―保存療法の限界と手術適応― 加藤 貞利
三浪三千男
上腕骨外側上顆炎は症状出現の初期にストレッチなどの保存療法を行い,早期に治癒をめざす必要がある.慢性期に移行すれば手術的治療を要する可能性が増大することを述べた.
変形性肘関節症とそれに伴う肘部管症候群 岡本 雅雄
阿部 宗昭
変形性肘関節症の疼痛と可動域制限に対する薬物療法と理学療法および本症に伴う肘部管症候群に対する装具療法について述べた.
<有痛性手部疾患>
手および手関節痛 中村 蓼吾
診断の難しい例では徒手検査,画像診断を十分活用することが大切である.NSAIDで対応できない痛みには各種神経性疼痛がある.
手根管症候群,ギヨン管症候群 長岡 正宏
手根管症候群では軽症例が保存的治療の適応で,装具療法が有用である.尺骨管症候群では原因により保存的治療の対象となるかどうかが決まる.
変形性手・指関節症 澤泉 卓哉
変形性手・指,手関節症の病態について述べ,保存的治療,特に装具療法の実際のコツについて記載した.
TFCC障害と尺骨突き上げ症候群 中村 俊康
手関節三角線維軟骨複合体障害,尺骨突き上げ症候群の保存療法とその限界について記載した.保存療法成功のためにはその病態をよく把握する必要がある.
狭窄性腱鞘炎,ばね指 藤   哲
狭窄性腱鞘炎およびばね指の保存的治療について,装具治療およびステロイドの局所注入について記載した.
慢性関節リウマチにおける手―保存療法のコツ― 斎藤  修
龍 順之助
RAの活動性を評価し,手指の腫脹,疼痛,変形によるADL障害を把握し,適切な保存療法を選択することが重要である.
キーンベック病 藤澤 幸三
Kienböck病の治療法選択にあたって,まず本症のnatural historyを理解していただきたい,その上で年齢,社会的立場,QOLなどを考慮し,最適の治療法を検討する.
Raynaud症候群 黒沢 洋一
那須 吉郎
レイノー現象では,基礎疾患の有無の鑑別診断と,保存的治療法のポイントについて記載した.

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