| I.皮弁の基礎知識 |
| 皮弁の血行:新しい知見 |
三鍋俊春 |
| 血管末梢部のchoke血管に着目することにより,血管網内の血行領域を認知し,皮弁生着に重要なlinking現象の機序が理解できる. |
| 皮弁の概念と分類I |
山田 敦 |
| 皮弁の概念は,axial pattern flapの概念が取り入れられてから急速に発展し多彩となり,移動方法による分類,血行動態による分類,構成成分による分類が主に用いられている. |
| 皮弁の概念と分類II |
中嶋英雄
今西宣晶 |
| 皮膚血行の3次元的解析による皮弁の血行概念の理解と分類.それに基づく最近15年間の皮弁の整理. |
| 皮弁壊死のメカニズム |
鈴木茂彦 |
| 皮弁末梢部の壊死の第一段階は白血球による細静脈の閉塞である.壊死進行には活性酸素や蛋白分解酵素が関与する.虚血後再潅流傷害は活性酸素が引き金となる. |
| 皮弁壊死の予防と対策 |
畑谷芳功
松尾 清
今井由典 |
| 皮弁の移植後の血行の状態と皮弁壊死のメカニズムを述べ,皮弁壊死の予防と対策について記載した. |
| 皮膚微小循環と皮弁の血行を促進する薬剤について |
中西秀樹
橋本一郎 |
| 皮弁が生着するか壊死となるかは組織の微小循環が保たれているか否かによるので,皮膚微小循環の血管構造や機能を考えて手術し薬剤を投与しなければならない. |
| 皮弁の生着向上に対する工夫 |
岡本泰岳
吉村陽子 |
| 皮弁の生着向上の外科的手技として,古典的ではあるが着実な方法であるdelayのメカニズムと実際の手技を紹介する. |
| 医用ヒルの使用 |
武石明精
栗原邦弘 |
| 皮弁術後の鬱血症例で,血栓除去術で改善が見込めない症例では,医用ヒルは有効な手段である.医用ヒルの使用にあたり,適応,使用方法,合併症を知ることが大切である. |
| II.臨床応用 |
| <頭頚部の再建> |
| 側頭筋膜弁による再建 |
秦 維郎
梅田 整 |
| 側頭部における各種組織弁の作製に当たっては,側頭部の層的解剖と血管系を理解することである.特に側頭頭頂筋弁,側頭筋膜弁は利用価値と使用頻度が高い.腫瘍を取り扱う頭蓋顔面外科では頭蓋骨弁もマスターしておく. |
| 頭蓋底再建における再建材の選択 |
田中嘉雄 |
| 頭蓋底腫瘍切除後の再建について,再建材としてのfree flapの選択基準と手術手技および再建の注意点について述べた. |
| 顔面・頚部に作成される局所皮弁 |
菅原康志 |
| 顔面・頚部に作成される代表的な局所皮弁を示し皮弁作成のコツと症例に適応する際のポイントについて記載した.それぞれの特徴を理解しバランスのよい皮弁を選ぶことが重要. |
| 有茎皮弁・筋皮弁による頭頚部再建(大胸筋皮弁・D-P皮弁) |
清川兼輔
田井良明 |
| 頭頚部再建においてpedicle flap(有茎皮弁)の成功率(生着率)を向上させるポイントは,その血行形態を十分に理解しそれに即したflapの作成法と移動法を実行することである. |
| 頭頚部再建における遊離皮弁の選択 |
木股敬裕 |
| 頭頚部再建において重要なことは,術後の合併症の予防,機能の維持,予後を考慮した治療であり,このことを常に念頭に置き皮弁を選択することが必要である. |
| <乳房・胸壁> |
| 有茎筋皮弁による乳房再建 |
西村正樹 |
| 乳房再建はなるべく異物を使わない方法が一般的になってきたが,ここでは代表的な術式である広背筋筋皮弁および有茎TRAM flapによる乳房再建の手術適応,詳細につき記載した. |
| Free TRAM flapによる乳房再建 |
野平久仁彦
新冨芳尚 |
| Free TRAM flapを作製する際に,穿通枝の状態によって筋鞘を付けずに挙上したり,筋鞘も筋肉も付けずに挙上する方法を使い分けるとよい. |
| 筋皮弁による胸壁再建 |
上田和毅 |
| ・それぞれの皮弁の移動範囲・欠損箇所別の皮弁の選択法・手技上の注意点 |
| <体 幹> |
| 筋皮弁による腹壁の再建 |
館 正弘
平林慎一 |
| 腹壁の再建は腹腔内臓器の保護や体液の保持,さらには腹腔内感染症の予防など生命予後にも直結するので,再建方法の適切な選択と確実な手技が望まれる. |
| 筋皮弁・筋膜皮弁による会陰・殿部の再建 |
佐々木健司
野崎幹弘 |
| 種々の皮弁の中から組織欠損の部位,大きさ,残存器官,死腔の有無を考慮して選択し,対称で深い陰殿裂を作成するよう工夫することが,術後後遺症を少なくするポイントである. |
| 褥瘡の手術治療における皮弁の選択 |
吉本信也
一瀬正治 |
| 褥瘡は,手術法や用いる皮弁の種類,質に関係なく再発しやすい.再建に当たっては,いくつかの方法を念頭に置き,先ず,単純な方法から施行すべきである. |
| <四 肢> |
| 筋弁・筋皮弁による四肢の再建 |
山本有平 |
| 四肢再建では,筋弁・筋皮弁の特徴を熟知し,有茎あるいは遊離移植,筋肉採取部の選択などについて十分考慮し,症例に応じた適切な使用が大切である. |
| 筋膜皮弁による四肢の再建 |
佐藤兼重
門松香一 |
| 四肢の再建に有用な主な筋膜皮弁のポイントについて記載した. |
| 逆行性皮弁の概念と四肢再建への応用 |
鳥居修平 |
| 逆行性皮弁は皮弁を近位より遠位に移動できるので,四肢においては有用である.前腕皮弁,指皮弁,peroneal flap,大伏在皮弁,内側足底皮弁などが利用されている. |
| 四肢の再建における遊離皮弁の選択 |
朝戸裕貴
波利井清紀 |
| 四肢の再建において血管柄付遊離組織移植は有用である.骨欠損を伴わない場合は腹直筋皮弁,骨欠損を伴う場合は腓骨皮弁を中心とした移植組織の選択が最も推奨できる. |
| 手部再建における皮弁の選択 |
柴田 実
陳 〓 |
| 手部再建には広い選択肢の中から,目的に応じ,採取部位に生じ得る問題点を考慮しながら,最適な皮弁を取捨選択する. |
| 指尖部再建に適する皮弁 |
平瀬雄一
山口利仁 |
| 指の血管・神経の走行を理解した上で,皮弁の作成にあたることが重要である. |
| 逆行性指動脈皮弁による指尖部再建 |
田中克己
藤井 徹 |
| 指尖部再建における逆行性指動脈皮弁の適応,手術手技および手技上の注意点などについて詳述した. |
| 足部における皮弁の選択 |
小林誠一郎
柏 克彦 |
| 足背などの非荷重部位の再建には患肢の機能的,整容的側面を十分考慮し薄い皮弁を用い,足底荷重部位の再建には内側足底皮弁が第一選択となる.装靴と歩行が足部再建の優先課題である. |
| Tissue expanderによる四肢の再建 |
竹内正樹
野崎幹弘 |
| Tissue expander法は,整容的に良好な再建術であるが,expander挿入中の合併症をいかに回避するかが重要なポイントである. |
| 四肢に役立つ局所皮弁 |
大西 清
丸山 優 |
| 四肢再建に役立つ局所・区域皮弁について代表的な皮弁を紹介し,その概要を述べた. |
| <新しい皮弁の開発> |
| 静脈皮弁の臨床 |
中山凱夫 |
| 完全生着に必要な条件はデザインが適切か否かである. |
| Secondary vascularized flap―特に遊離血管束移植による2次皮弁を中心に |
百束比古 |
| 血管束をあらかじめ他部位に移植埋入して,新たに血管柄付で採取できる組織を作成する方法について記述した. |
| 穿通枝皮弁 |
光嶋 勲
森口隆彦 |
| 筋間穿通動脈を茎とする皮弁:筋を犠牲にしない穿通枝皮弁を用いた低侵襲皮弁移植の適応,安全に移植するコツについて. |
| 皮弁,筋皮弁のthinning |
秋月種高
大森喜太郎 |
| 臨床上多用されるが,厚さが欠点となり得る腹部に作成される皮弁のthinningの理論と実際について記述した. |
| Bridge flap |
中塚貴志 |
| Bridge flapを行うには,慎重な適応決定の上,十分なプランニング(皮弁の選択,手術手順の配慮)が要求され,その結果良好な成績につながると考える. |